AIと人が一緒になってつくる次世代工場の姿を紹介2017国際ロボット展(2/2 ページ)

» 2017年11月30日 06時00分 公開
[小林由美MONOist]
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「誰でも簡単に」実機レス検証

 生産準備の事例として展示した、シミュレーターとAIによる3Dビジョンセンサー自動調整の実演では、実機レス検証を「誰でも簡単に」できる例を示した。バラ積み部品を3Dセンサーで自動認識し、さらにロボットが自動で取り出す。自動調整においては、部品の3Dデータを用いて、部品の供給状態と3Dセンサーで認識した状態を再現する。さらにAI技術「Maisart」でパラメーター最適化を実行し、AIがセンサーパラメーターを自動調整する。これにより、実機がない環境やノウハウがなくても自動調整が行え、設備の最適調整、性能ばらつき抑制、立ち上げの迅速化が実現できる。

シミュレーターとAIによる3Dビジョンセンサー自動調整

 鉄道模型を用いた高速追従のデモも実施。鉄道模型は速度や進行方向、路線切り替えを任意に実施し、わざと不規則になるようにした。それを垂直多関節型ロボット「RV-4FR-R」に付けた高速カメラが追いかける。さらにモニターが自動追従の様子をリアルタイムで映し出す。フレームレートは1000fps。この技術は不規則に動く対象物の検査や搬送に応用できる。

高速追従のデモ

 さまざまなネジが混じっていても自動認識して、ロボットが自動で締め付けるデモも実施した。複数の設備に担当させていた作業を集約できるため、省スペース化につながる。多方向のネジ締めやトルクのデータも出力・管理できる。ロボットの運動モニター、警報、負荷率監視機能を搭載したシステムと連携すれば、現場でトラブルが発生した際に復旧支援したり、遠隔での稼働状況の把握が可能になる。

自動ネジ締結のデモ

 人の手でも細やかな作業になる、フレキシブルプリント基板(FPC)を器用にはめるロボットの実演も実施。三菱電機のパートナーであるテックメイクとイリソ電子工業による技術だ。

ロボットがフレキを組むデモ

 三菱電機は中部大学、中京大学との合同チームで2017年7月に開催した物流ロボットコンテスト「Amazon Robotics Challenge(ARC) 2017」(会場は名古屋市国際展示場)に出場している。今回は当日使用したセルを展示した。

ARCで使用したセル

 同社は2017年11月7日にe-F@ctoryにおけるエッジコンピューティング製品群を発表。データ分析診断ソフト「リアルタイムデータアナライザ」と、SCADAソフトウェアである「MC Works64 エッジコンピューティングエディション」、産業用PC「MELIPCシリーズ」を開発していく。

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