三菱ふそうトラック・バスは「第45回東京モーターショー 2017」において、電気商用車専門の新ブランド「E-FUSO」を立ち上げ、電気商用車市場を先導する方針を示した。コンセプトモデルE-FUSO「Vision ONE」を発表した他、量産電気小型トラック「eCanter」をヤマト運輸に納入したことなども明らかにした。
三菱ふそうトラック・バスは2017年10月25日、「第45回東京モーターショー 2017」(東京ビッグサイト、プレスデー:2017年10月25〜26日、一般公開日:同年10月28日〜11月5日)のプレスデーにおいて、電気商用車専門の新ブランド「E-FUSO」を立ち上げ、電気商用車市場を先導する方針を示した。
三菱ふそうは、初の量産電気小型トラック「eCanter」の市場販売を開始し、既にコンビニエンスストア大手であるセブン-イレブンへの導入を発表。さらに今回ヤマト運輸への導入が決まったことを明らかにしている。「eCanter」は車両総重量(GVW)7.5トンで、1回の充電での走行可能距離は約100kmである。
この「eCanter」で培った設計、開発、実証試験、製造のプロセスを生かし、今後電気商用車市場を主導する手応えをつかんだことから今回、電気商用車の専門ブランドとして「E-FUSO」を立ち上げた。
三菱ふそうトラック・バスの取締役社長で最高経営責任者(CEO)のマーク・リストセーヤ氏は「輸送や物流は環境問題と切り離せない問題となっている。商用車のEV化が進むことで、CO2の大幅削減やNOxの削減につなげられる他、騒音の低減などにも貢献できる。持続可能な都市環境の形成に取り組む。全車種のトラックとバスの電動化モデルの開発を今後進めていく。電気商用車市場を拡大していきたい」と述べている。
今後、全車種の電動化に向けた取り組みを進める。大型トラックの開発だけでなく、今後トラックとバスの全車種に、電動パワートレインのオプションを追加していく方針である。
さらに新ブランドでの電気商用車市場での主導権獲得を目指したコンセプトモデルとして、E-FUSO「Vision ONE」を披露した。
E-FUSO 「Vision ONE」は、GVW23.26トンで、最大積載量11.11トンのコンセプトモデル。積載量はディーゼルエンジンの同等車両と比べて1.8トン少ないが、1回の充電で最大350km走行可能である。利用用途は、都市内の拠点間輸送を想定する。電気大型トラックの商用化は今後4〜5年以内を目指すとしている。
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