ロボットバトル競技の草分け「ROBO-ONE」に新たな部門が誕生。自律機のみが出場できる「ROBO-ONE auto」だ。神戸で開催された第1回大会に続き、第2回大会が2017年9月23日、神奈川県青少年センターで開催された。頂点に立ったのはどんなロボットだったのだろうか。
「ROBO-ONE」は2002年2月に第1回大会が開催された、ロボットバトル競技の草分けである。その15周年となる2017年、ROBO-ONEに新たな部門が誕生した。それは自律機のみが出場できる「ROBO-ONE auto」。神戸で開催された第1回大会に続き、第2回大会が同年9月23日、神奈川県青少年センターで実施された。頂点に立ったのはどんなロボットか。
ROBO-ONEは、2足歩行ロボットによるバトル競技会である。現在、国内ではさまざまなロボット競技会が開催されているが、ROBO-ONEはその中でも、エンターテインメント性が特に強いのが特徴だ。会場を見てみると、学生の参加者も多いものの、ロボットバトルを楽しむ大人が個人で出場している姿が目立つ。
「なんだ、遊びか」と思うかもしれないが、「大人の本気の遊び」を舐めてはいけない。この15年で、ホビーロボットの技術は大きく向上。当初は歩くのもやっとだったロボットが、素早く移動し、打撃や投げ技など多彩な攻撃を繰り広げるまでになった。初めて見る人は、この迫力に驚くのではないだろうか。
ROBO-ONEのルールは非常にシンプル。制限時間内に、相手から3ダウンを奪った方が勝利だ。ボクシングと同じように、ダウンして10カウント以内に起き上がれなかったときは、その時点でノックアウト負けとなる。
試合を見るときに1つ覚えておいて欲しいのは、現在のルールでは、横方向への攻撃が禁止されているということだ。人間のボクシングや空手の感覚からすると、前方へ攻撃するのが当たり前だろう。しかしロボットバトルでは、これが当たり前ではなかった。
足は横方向に並んでいるため、ロボットは基本的に前後方向に倒れやすい。構造上、横方向へ攻撃した方が倒れにくいので、長らく横方向への攻撃が主流だったのだ。しかしこれが禁止されたことにより、現在はより人間らしいスタイルのバトルが見られるようになった。このように、時々でルールを修正し、技術進化を促してきたのがROBO-ONEなのだ。
ただレベルが向上した結果、初心者が参入し辛くなったのも事実。この問題に対応するため、2010年3月に始まった新部門が「ROBO-ONE Light」である。ROBO-ONEは基本的に自作ロボットによる大会なのだが、このLightでは、公認された市販ロボットか、重量1kg以下の自作ロボットに出場が制限される。
市販ロボットであれば、買ってきて組み立てるだけで出場できる。大幅な改造はできない規定になっているので、お金をかけた強力なロボットに太刀打ちできない、ということもない。現在は自作機がかなり強く、初心者が市販機ですぐに優勝することは難しいだろうが、最新の大会では市販機が優勝しており、努力次第では決して不可能ではない。
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