シャープ IoT通信事業本部 IoTクラウド事業部 サービスマーケティング部長の松本融氏は「女性の社会進出や核家族化の進展により、食市場は変化している。現在は、自宅で食べる内食ではカンタン内食派が増加しており、市場全体ではデパートの総菜に代表される中食市場が成長している」と説明する。
ヘルシオデリは現在の食市場のトレンドと、AIoT家電として進化したヘルシオの機能を基に開発したサービスになる。「スマートフォンは、ハードウェアにソフトウェアやコンテンツが組み合わさって価値を生み出している。IoT化した調理家電でも、ソフトウェアやコンテンツが重要になるが、その1つが料理キット宅配サービスになるのではないかと考えた」(松本氏)。
ヘルシオデリで用意したメニューは、2〜3人前で3800円という価格を考えると、日常的な食事というよりも、週末などに楽しむ特別な食事という位置付けだ。そこで、ぐるなびと提携する有名レストランのシェフが、宅配された食材を並べてヘルシオに入れて、自動調理ボタンを押すだけで完成する専用のレシピを作成した。
今回発表されたメニューの多くは準備時間が約5分、調理時間は10〜30分程度と極めて簡単に調理できるようになっている。「食のIoT化により、シェフの技を自宅で再現できる」(松本氏)というわけだ。
シャープは、ヘルシオデリの枠組みをプラットフォーム化し、有名レストランのシェフがさらに広く参加できるようにしていきたい考えだ。さらに「今回は“プレミアム”な料理キットになっているが、今後は需要に応じてスイーツや日常的な食事の料理キットを宅配することも検討していきたい。2020年の売上高目標の200億円は、これらの広がりを含めたもの」(長谷川氏)としている。
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