日立ソリューションズは、IoT制御システム向けの高速データベース管理システム「Entier インメモリデータベース管理システム」を発売した。処理能力の向上により、数十マイクロ秒でのデータ検索や更新が可能になった。
日立ソリューションズは2017年9月1日、IoT(モノのインターネット)制御システム向けの高速データベース管理システム「Entier インメモリデータベース管理システム」を発売した。価格は個別見積もりとなる。併せて、同システムの体験版がダウンロードできるサイトを公開した。
同システムは、データの識別記号とデータを組み合わせたシンプルなデータベース方式「Key-Value-Store」や、データを一時保管する領域の両端を論理的につなげてデータの置き換えを不要にする「リングバッファ」などを採用し、処理能力向上を図った。従来のEntierデータベースの約1000分の1となる、数十マイクロ秒でのデータ検索や更新が可能になった。
IoT機器が出力する異なる種類のデータを同時処理し、一元管理可能なマルチスレッドに対応。これにより、高度な制御が必要とされるロボットなどの制御アプリケーションの開発効率を高めることができる。プログラムサイズは100KB程度で、エッジデバイスなどリソースが限られたIoTデバイスへの導入も容易だ。
さらに、自動車の機能安全規格「ISO26262」の設計プロセスに準拠しているというエビデンスを提供し、同規格の認証取得をサポートする。
稼働環境は、開発環境がWindows(x86)またはLinux(x86)、ターゲットシステムがLinux(ARM)となっている。
同社は、組み込みデータベース「Entier」の開発ノウハウを活用し、2016年10月に日立オートモティブシステムズと共同で「自動運転ECU(Electronic Control Unit)プラットフォーム」を開発した。Entier インメモリデータベース管理システムは、このプラットフォームで採用したデータベースを汎用化したものだ。
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