NTTデータ グローバルソリューションズは、ドイツSNP社と戦略的パートナーシップを締結。SNP社が開発したビジネス変革支援ソフトウェアを使ったデータ移行サービスを開始する。
NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)は2017年9月6日、ドイツのシュナイダー・ノイライター・アンド・パートナー(以下、SNP社)と戦略的パートナーシップを締結し、SNP社が開発したビジネストランスフォーメーション支援ソフトウェアソリューション「SNP トランスフォーメーションバックボーン(SNP T-Bone)」を活用したデータマイグレーション(データ移行)サービスを実施することを発表した。2017年9月7日に販売を開始する。
グローバル化が加速する中、製造業の中でも企業や事業の買収や売却などが加速している。しかし、日本企業における買収や合併などは失敗してしまうケースも多い。失敗にはさまざまな要因が存在するが、要因の1つとしてバックヤードのITシステムの統合に大きな手間やコストが発生し、統合効果を発揮するのに時間がかかってしまうということがある。SNP社が展開しているのはこうしたコストを低減することを目指したソフトウェアソリューションである。
SNP社が開発した「SNP T-Bone」は、企業の組織再編や合併、吸収、分割、売却、統廃合などにより発生するITシステムの変化に応じ、企業が保有する各種のデータやビジネスプロセスの状況を自動的に分析し、企業のトランスフォーメーションの実現をサポートするソフトウェアソリューションである。企業が保有する基幹システムの詳細な分析から、トランスフォーメーション(移行用)メモリの構築、プロジェクトの詳細なプランニング、実際のマイグレーションの実施に至るまで、プロジェクトの全段階をカバーできるように構成されている。
SNP社がこれまで7000社以上のM&Aなどの支援を行い、ソフトウェア関連サービスのプロジェクトに携わった実績から生まれたものだとしている。具体的に「SNP T-Bone」を活用してマイグレーションを行った案件としては、米国のHPが2社に分離した案件、米国ケロッグがAWSへのシステム移行を行った案件、英国ロールスロイスがエネルギー事業をドイツのシーメンスに売却した案件などがあるという。
SNP社 取締役会長兼CEO アンドレアス・シュナイダー・ノイタイラー(Andreas Schneider-Neureither)氏は「SNP社の強みはデータ移行の自動化テクノロジーを備えている点である。そのため大規模な案件でも短期間でダウンタイムを短く移行できる」と述べている。
NTTデータGSLでは、主に日系大手製造業を対象に「SNP T-Bone」を使用したプロジェクトの提案を進めていく。NTTデータGSL 第一製造事業部 事業部長 新垣信仁氏は「グローバルで展開する日本の製造業はSAPの基幹システムが標準的な存在となっている。SAPを利用する利点の1つがM&Aのシステム統合が容易であることだが、現実的にはデータ移行が苦しむケースも多い。『SNP T-Bone』を活用することでデータ移行ミスなどのリスクを低減しつつ、ダウンタイムを低減した移行が可能となる」と利点について述べている。同社では、初年度で2件の受注を目指す方針だ。
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