CNS社の目指す姿は、B2Bビジネスによって社会課題に向き合っていくことだ。パナソニックのコーポレートスローガン「A Better Life, A Better World」のうち「A Better World」の実現を担っていくことになる。
樋口氏は「『現場』の役に立つトータルインテグレーターを目指す。ITのシステムインテグレーターとの違いは、現場にあるコアデバイスまでをもインテグレートする点にある。そしてパナソニックには多くの強いデバイスがある」と強調する。
このトータルインテグレーターを目指すために構造的改革も断行する。施策は3つ。1つ目は「ソフトウェア・IoTのさらなる強化」で、さまざまな商品(デバイス)とソリューションセリングの間を、ソフトウェアとIoTで緊密につなげられるようにする。そのための担当責任者も選任する方針だ。2つ目の「グローバル展開」については、日本での成功事例を欧米、中国に横展開することになる。ただし「現時点で海外はないない尽くしなので、初心に戻って着実に展開できる体制を整える」(樋口氏)としている。
3つ目は「顧客接点最大化」だ。CNS社のB2Bビジネスが、顧客の困りごとを解決していく以上、顧客との接点が最も重要になる。樋口氏は「顧客との接点を考えると、顧客が集積している東京を含めた東側での運動量を上げる必要がある」と述べる。その具体策として、2017年10月にCNS社の本社を東京・汐留に移転する方針を決めた。「(パナソニックの本社がある)門真発想では限界がある。原始的な手法かもしれないが、顧客が集中する東京に本社を移転し、愚直に顧客のもとに足を運びたい」(同氏)という。
これらの目指す姿を実現することで、スマイルカーブの右上にある高利益率の収益モデルを確立していく。CNS社としては、2016年度が売上高1兆512億円、営業利益504億円だったが、2017年度は売上高1兆1030億円、営業利益690億円、2018年度は売上高1兆1860億円、営業利益880億円を見通す。樋口氏は「2021年度には、営業利益率で10%超の高収益事業体になる」と意気込む。
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