前回は、米国の規制当局による医療ソフトウェア評価の仕組みづくりを取り上げたが、同様の動きは医療専門家側でも進んでいる。
米国の医療専門職能団体の中で、モバイルヘルスアプリケーション利活用のルールづくりに積極的な団体の1つが米国医師会(AMA:American Medical Association)である。AMAの医療サービス評議会は、2016年11月12〜15日に開催した2016年中間会議の中で、「モバイルヘルスアプリケーションと機器の実践への統合」と題する報告書を公表した(関連情報、PDFファイル)。
同報告書は、モバイルヘルスアプリケーションと機器について、以下の3つの分類を示している。
健康医療分野のアプリケーションソフトウェア利用については、本連載第20回でFDAが所管する「医療機器」、第8回および第13回で連邦取引委員会(FTC)が所管する「非医療機器」の観点から、法規制動向を取り上げた。
今回のAMA報告書は、医療機器、非医療機器の区別なく、モバイルヘルスアプリケーションおよびデジタルヘルス機器全般について、科学的根拠に基づく安全で効果的な利用を実践することを目標に掲げている点が特徴だ。エビデンスに基づくベストプラクティスの集積が、ソフトウェア開発企業にも求められる。
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