世界各国でモバイルヘルスアプリケーションの開発に向けた競争が激化する中、規制当局が要求する品質/安全管理対策の水準も確実に上がっている。開発者はどのような点に注意したらよいのだろうか。
2016年4月6日、米国の連邦取引委員会(FTC)は、保健福祉省(HHS)傘下の国家医療IT調整室(ONC)、公民権局(OCR)、食品医薬品局(FDA)と共同で、モバイルヘルスアプリケーション開発者向けのガイドラインを公表した(図1参照、関連情報)。
ガイドラインでは、アプリケーションの機能、収集するデータの種類、提供するサービス内容に応じて、どのような法令(例:連邦公正取引委員会法、FTC保健違反通知規則、医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C)など)が適用されるかを、Q&A形式で確認できるツールを提供している。
これに先立ってFTCは、2015年6月、スタートアップ企業向けに、「Start With Security」というセキュリティガイドラインを公表し(関連情報)、以下の10項目を推奨事項として挙げている。
2016年4月にFTCが公表したガイドラインでは、これらの推奨事項に加え、ヘルスアプリケーション開発者向けに以下の8項目を留意事項として挙げている。
日本の場合、同じ医療用ソフトウェアでも、「医療機器」は厚生労働省、「非医療機器」は経済産業省がそれぞれガイドライン類の策定を行っているが、米国では、双方のカテゴリーを所管する省庁が共同で策定作業を行っている。
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