ロボット技術で自動培養した細胞を使ったひざ軟骨細胞治療の臨床研究医療機器ニュース

川崎重工業は、独自開発の細胞自動培養システム「AUTO CULTURE(オートカルチャー)」によって培養した間葉系幹細胞を用い、ひざ軟骨細胞治療の臨床研究をタイで実施した。ロボット技術で自動培養した細胞を使った臨床研究は世界初になるという。

» 2017年01月18日 15時00分 公開
[MONOist]

 川崎重工業は2016年12月27日、独自開発の細胞自動培養システム「AUTO CULTURE(オートカルチャー)」によって培養した間葉系幹細胞を用い、ひざ軟骨細胞治療の臨床研究をタイで実施したと発表した。

 AUTO CULTUREは、細胞培養過程をロボット技術によって自動化したシステム。ロボット技術で自動培養した細胞を使った臨床研究は世界初になるという。タイのチュラロンコン大学との共同研究で、武庫川女子大学の脇谷滋之教授が開発した「自己骨髄間葉系幹細胞移植による関節軟骨欠損修復法」を応用した細胞治療を施した。

 再生医療の臨床応用では、患者から採取した細胞を培養して増やした上で、必要に応じて加工し、患者の患部に移植することになる。従来は手作業が前提で、細胞を培養・加工する施設において作業室を非常に高い清浄度に保つことが求められ、熟練した技術者の養成が必要だった。そうした施設の建設・維持や熟練技術者の養成にかかるコストなどの課題を解決するため、AUTO CULTUREを開発したという。

 同社は今後、自動培養した細胞での臨床研究を継続し、治療効果を検証する。さらに今回のプロジェクトで培った技術をもとに、培養効率を向上させたAUTO CULTUREの開発にも着手しており、数年内に販売を開始する計画だ。

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