インダストリー4.0などIoTを活用したスマートファクトリーの実現に大きな注目が集まっているが、これらの動きの中で重要な役割を果たす産業機械メーカーにはどういう変化が求められるだろうか。シーメンス産業オートメーション事業部のビジネスユニットであるシーメンスPLMソフトウェアで産業機械担当のシニアディレクターを務めるラフール・ガーグ(Rahul Garg)氏に話を聞いた。
インダストリー4.0など工場や生産現場のスマート化を求める声が高まる中、産業機械にも変革の兆しが見え始めている。保守的とされる産業機械業界だが、2年に1度開催される工作機械の見本市「JIMTOF2016」でもIoT(モノのインターネット)が大きなトピックとなるなど、産業構造の変化は無視できない状況になっている。
こうした産業機械業界における変化について、ドイツのシーメンス 産業オートメーション事業部のビジネスユニット シーメンスPLMソフトウェアで産業機械担当のシニアディレクターであるラフール・ガーグ(Rahul Garg)氏に話を聞いた。
MONOist 産業機械メーカーは多くの製造業の中でも保守的だと見られてきましたが、変化が始まっていると考えますか。
ガーグ氏 産業機械業界に限った話ではないが、デジタル化における直近2年間の産業の変化はその前の20年の変化に匹敵するほど大きな変化であるといえる。この2年における変化は全ての産業の在り方を変える可能性がある。そういう意味では産業機械業界も、こうした変化に対応せざるを得なくなっているといえる。
ガーグ氏 産業機械メーカーはどちらかというと保守的で変化を望まない業界だったといえる。ただ、ドイツのインダストリー4.0などにより、産業機械を使う顧客企業である製造業が大きく考え方を変えてきた点なども要因としては大きいだろう。
欧州の産業機械メーカーが集まる定期的な会合が先般開催されたが、その中で「産業機械メーカーが今後3年から5年先を見据えてどんな技術を取り入れていくべきか」という議題が出た。主に9つのテクノロジーが焦点となったが、主に4つの技術について、産業機械メーカーがフォーカスして取り組むべきことが共通認識として得られたという。
その4つの技術というのは、「IoTとビッグデータ分析」「メカトロニクスのシミュレーション」「積層造形(3Dプリンティング)」「AR(拡張現実)」である。
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