セコムの「マイドクターウォッチ」はウェアラブルヘルスケアの本命となるかウェアラブルニュース(1/2 ページ)

セコムは、自社開発のリストバンド型ウェアラブル端末を用いた健康管理と救急対応のサービス「セコム・マイドクターウォッチ」を発表。2017年1〜3月にかけてトライアルを実施した後、同年初夏からセコム・ホームセキュリティのオプションとして正式にサービスを開始する計画である。

» 2016年12月22日 05時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
セコムの中山泰男氏 セコムの中山泰男氏。左腕に装着しているのが「セコム・マイドクターウォッチ」のリストバンド型ウェアラブル端末

 セコムは2016年12月21日、東京都内で会見を開き、自社開発のリストバンド型ウェアラブル端末を用いた健康管理と救急対応のサービス「セコム・マイドクターウォッチ」を発表した。2017年1〜3月にかけて、家庭用安全システム「セコム・ホームセキュリティ」ユーザー約500人を対象としたトライアルを実施した後、同年初夏からセコム・ホームセキュリティのオプションとして正式にサービスを開始する計画である。

 セコムはこれまで、セコム・ホームセキュリティのユーザー向けの救急通報サービスとして、ペンダント型端末を使う「マイドクター」や、携帯電話機能を併せ持つ端末を使う「マイドクタープラス」などを展開してきた。しかしこれらの端末は、ユーザー自身が握ったり、ストラップを引っ張ったりという操作が必要だった。同社社長の中山泰男氏は「高齢者が転倒した時や、脳梗塞、心筋梗塞といった急変時は、端末を操作できない状況にある。今回発表したマイドクターウォッチは、センサーを組み込んだウェアラブル端末をユーザーに装着してもらうことで、そういった状況を自動で検知し、救急通報を行えるようにした」と語る。

「セコム・ホームセキュリティ」をベースに各サービスで使用している端末 「セコム・ホームセキュリティ」をベースに「マイドクター」、「マイドクタープラス」、そして「セコム・マイドクターウォッチ」を展開(左)。各サービスで使用している端末(右)(クリックで拡大)

 マイドクターウォッチのウェアラブル端末は、救急通報をはじめとする救急対応機能に加えて、歩数や消費カロリーの計測による日常的な健康管理機能も有している。これらの健康管理機能関連の情報はセコムのデータセンターに収集されており、セコム・ホームセキュリティの家庭内設置用端末「セコム・ホームセキュリティ G-カスタム」の液晶ディスプレイにグラフで表示させることもできる。

「セコム・マイドクターウォッチ」のサービス提供イメージ 「セコム・マイドクターウォッチ」のサービス提供イメージ(クリックで拡大) 出典:セコム

 またスマートフォンアプリとの連携によって、家庭内だけでなく屋外でも救急対応機能や健康管理機能を利用できる(トライアル時に屋外で利用できるのは健康管理機能のみ)。

 中山氏は「マイドクターウォッチの“ウォッチ”は、時計機能ではなく“見守り”を意味している。これにより、あたかもセコムが常にそばにいるように、健康上の不安に対する安心を提供したい」と意気込む。

 なお、マイドクターウォッチの価格は未定だが「マイドクターが月300円、GPSによる位置情報と現場急行のサービス『ココセコム』が月900円。この当たりを参考にして決めたい。少なくとも月1000円以下にはしたい」(中山氏)という。初年度の契約目標は3万件を掲げた。

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