ルネサスは、同社のIoT-Engineにさまざまなセンサーや部品を接続できることを示した。確かに、IoT-Engine用の評価ボードを介して、マイク、モーションセンサー、接触センサー、センサー動作確認用のLEDがつながっている。
このルネサスのデモ内容を説明する前に、対面に出展していたヌヴォトンのブースを紹介しておこう。ヌヴォトンは、「Cortex-M0」を搭載するマイコン「Nano120」を用いたIoT-Engineを開発中だ。このIoT-Engineを用いて、スマートロックや照明をタブレット端末で操作して見せた。
実はこのスマートロックや照明は、ルネサスのIoT-Engineにつながったセンサーからも操作することができるようになっていた。ルネサスとヌヴォトンは展示ブースの間がそれほど離れていないため、IoT-Engineの通信機能である6LoWPANを介して直接操作することも可能かもしれない。しかし実際には、クラウドを介して操作しているという。メーカー間の垣根を越えることを目標とするIoT-Engineらしい展示といえるだろう。
STマイクロエレクトロニクスは、既に開発を完了しているIoT-Engineを使って、IoT-Engine用の評価ボードに搭載されている温度センサーと照度センサーの検知結果をノートPCに表示するデモを行った。「開発キットを販売する準備はできている」(同社の説明員)という。
同社のIoT-Engineに搭載されているマイコンは「STM32L4」だ。高機能であることに加えて周辺部品を削減できることを特徴としている。このため、IoT-Engineの基板に搭載する大きめの電子部品はコンデンサーと水晶だけで済む。「IoT-Engineを用いたシステムを量産開発する際には、この開発キット向けの小型モジュールの回路がまず参照される。参照回路の部品点数が少なければ、量産開発時に大きなメリットになる」(同説明員)としている。
なお、IoT-Engineの開発は日本法人で実施した。まずは国内での提案活動に注力するが、IoT-Engineの需要が高まれば海外展開も視野に入れていきたい考えだ。
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