富士通では「Zinraiプラットフォームサービス」の他、世界最速クラスの処理性能を実現したディープラーニング基盤サービス「Zinraiディープラーニング」、コンサルティングから導入、運用までをトータルに支援する「Zinrai活用コンサルティングサービス」「Zinrai導入サービス」「Zinrai運用サービス」の4種類のサービスを展開予定。2017年4月までに順次展開を進めていく。
さらに、ディープラーニングについては専用プロセッサ「DLU」なども開発。IBMなどが取り組むような新構造のアーキテクチャではないが、ディープラーニング専用の独自アーキテクチャを開発し、徹底した省電力設計を実現。さらにスーパーコンピュータ「京」などの開発技術を投入し、AI機能を支援していく。DLUについてはまずは富士通内での活用を進めるとしているが、PCカードとして外部にも提供する計画だとしている。
富士通では、AIサービスの2020年度までの累計売上高で3200億円を目指すとしている。内訳としては「AIサービスやプラットフォームで4割くらいになる見込み。残りの6割はAIのシステムインテグレーションや新サービスが担うと見ている」(菊田氏)としている。対象企業としては「さまざまな業種の顧客企業が存在するが、モノづくり、物流、流通、自動車、金融などが主要ターゲットとなるだろう」(菊田氏)としている。
AIなどの技術について日本のIT企業などは立ち遅れているともみられているが、こうした見方について阪井氏は「確かに先行する欧米企業に比べて出遅れたという認識はある。しかし、今回本格的にZiraiを活用した商用ベースのサービスが開始できる。従来の汎用AIに比べて、実務に踏み込んだきめ細かいAPIサービスを提供できるようになり、新たな優位性を生み出すことができたと感じている。さらにディープラーニングのIaaSについては競合企業は用意できていないところもあるので、市場に追い付いたといえるのではないか」と考えを述べている。
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