今回は「ナレッジベース」技術に関するお話です。
本記事は、CADを快適な環境で使ってもらうソリューション専門街「CADJapan.com」から転載しています。
「テンプレート設計」や「ナレッジテンプレート設計」がさまざまな企業で検討されてきました。「熟練設計者のノウハウをどうやって企業資産として残すか?」は数多くの製造業で抱える課題の1つではないでしょうか?
「ナレッジ(知識)」という言葉からまず連想されるのは「ナレッジマネジメント(KM)」が最も代表的な例になります。ただし企業情報システム分野だけではなく、製造業でのCADでも「ナレッジベース」技術が大きなトレンドになっています。
ダッソーの3D CADにはナレッジと呼ばれるモジュール群が複数存在します。「設計規定」「ルールをファイルに包含するもの」「最適設計や実験計画法を実現するもの」「TRIZをサポートし発明支援するもの」などです。
より一般的な「設計規定」について具体的には、企業の設計ルールや設計の制約条件、設計手順などを指します。設計ルールとは、if文で表されるような条件のことです。例えば、「もし材質が金属なら、穴の半径は8mm」というようなルールを設定できます。モデリングしている間に、材質として金属を選べば、自動的に穴の半径が8mmになります。
設計の制約条件とは、穴やフィレットなどの形状の寸法などに関する制約条件のことになります。例えば、ある製品のフィレットの半径は必ず何mm以下になるといった制約条件を設定できます。この制約条件から外れたモデリングをすれば、警告メッセージが表示されます。
設計手順とは、モデリングのプロセスそのものを指します。これを定義しておけば、定義したプロセスやガイドラインに従って自動的にモデリングができます。このようなナレッジベースのモデリング機能により、まず、ベテラン設計者のノウハウを再利用できるようになります。
また、要求仕様、コスト、製造情報など、設計部門以外のさまざまな知識とモデリングを直接結び付けることも可能です。
テンプレートは以下のように2つに大別できます。
共に費用対効果が分かりやすく、当社でも数多くの導入事例があり工数削減につながった実績があります。
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