ガートナージャパンが「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表。IoTや人工知能は「過度な期待」のピーク期に位置するが、その関連テクノロジーの多くは黎明期に属するため、中長期的な視点での調査が必要と分析している。
ガートナージャパンは2016年10月5日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表した。
ガートナーのハイプ・サイクルは、市場に登場したテクノロジーが、黎明期、「過度な期待」のピーク期、幻滅期、啓蒙活動期を経て市場が確立するまでの典型的な経過を表すものだ。2007年から発表されている「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」は、先進テクノロジーについて、企業が考慮すべきトレンドを業種横断的な視点で示している。
2016年版のレポートでは、近年同社が重要性を強調しているNexus of Forces(モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションという4つの力の強固な結び付き)との関連、およびデジタル・ビジネスの進展への貢献という視点から、38のキーワードが選定されている。
同レポートでは、Nexusの構成要素のうち、モバイル(モバイル・コンピューティング)、クラウド(クラウド・コンピューティングおよびプライベート・クラウド・コンピューティング)、インフォメーション(代表としてビッグ・データ)は、2015年から引き続き幻滅期に位置付けられた。これらは一定以上の企業で活用・実装フェーズに入っており、取り組みが成功するケース、あるいはそれ以上に困難に直面するケースも多いものの、各要素に対する注目度は依然として高いと分析されている。
また、IoT(モノのインターネット)や人工知能は「過度な期待」のピーク期とされたが、その関連テクノロジーの多く(IoTプラットフォームやコグニティブ・テクノロジーによるサービスなど)はまだ黎明期とされており、成熟度は十分とはいえないが、中長期的な視点での綿密な調査が今から必要だとしている。
さらに、黎明期と「過度な期待」のピーク期に位置付けられているテクノロジーは、成熟するまでに5年以上の時間を要するものがほとんどだが、革新的なテクノロジーも多い。こうしたテクノロジーは時に市場に混乱をもたらすことがあるため、ITリーダーはこれまで以上に注意深く「真の」テクノロジーとそのメリットを見極める力を備える必要があるとしている。
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