発想はセンスでも運でもない、技術だ“イノベーション思考”で発想が変わる!(1)(1/2 ページ)

目まぐるしく変わっていく時代の中で、“新しい価値”を生み出すことを求められる世界のビジネスパーソン、そして、これからのエンジニア。今までにないサービスを生み出すためには新たな“発想”が必要です。演習と解説の“実践”を通し、“発想力”を強化する“イノベーション思考”を身に付けていただく連載がスタートします!

» 2016年09月15日 10時00分 公開

 「センスがない」と嘆いていても始まらない。「今までにないものを!」「抜本的な改革を!」――目まぐるしく変わる現代社会。プロダクトライフサイクルはどんどん短くなり、消費者は常に“新しい何か”を求めています。企業は「イノベーション」を起こすような画期的な技術やアイデアを創り出さねばならないプレッシャーの中で奮闘し、開発者は……いや全てのビジネスパーソンは“これまでにない全く新しいもの”を失敗せずに創出することに日々向き合い、挑戦しています。しかし、こんな方も多いのではないでしょうか。

 「そんな簡単にアイデアなんて出てこない」

 「私にはクリエイティブなセンスがない」

 そう、新しいアイデアやひらめきは「生まれながらのセンス」や「運」によって突如、頭の中に表れ、革新的な企画が生まれると思われがちですが、そうではありません。

 考え方という“技術”を身に付けることで、発想を広げることが可能なのです。その考え方を、この連載では“イノベーション思考”と呼ぶこととします。この“イノベーション思考”を、演習と実践を通して身に付けていただくのがこの連載のゴールです。まず第1回目では「なぜ“考え方は技術”なのか」ということを解説します。

物件を選ぶ上でのチェックポイントは?

 まずは例として身近な問いについてアイデアを出してみます。あなたの上司の娘が大学進学に伴い、一人暮らしをすることを聞きました。上司は娘の初めての一人暮らしをとても心配している様子。お昼休みに「どんなポイントに注意して部屋選びをしたらいいかなあ」と相談されました。いつもお世話になっている尊敬する上司のために、万全な対策を提案したいところです。

 では、どんなポイントがあるか、思いついた順に並べてみましょう。

  • 家賃
  • 駅からの近さ
  • 治安の良さ
  • 築年数
  • セキュリティの高さ

 いくつかはすぐに出てきますね。つい最近引っ越しをして物件選びをした方は多く思い浮かぶかもしれません。私も何度か物件探しを経験していますが「ここをチェックするのを忘れた……」「あそこを確認しておけばよかった……」など、意外と後から気付くことも多いので、ヌケモレのないように確認しておきたいところです。

 では次に、“イノベーション思考”に沿ってアイデアを出してみましょう。まずは大きな枠で考えてみます。先ほど出した5つのポイントを簡単に分けてみると、「費用」「場所」「建築物」とすることができます。

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 では「費用」は「家賃」の他にどのような項目が考えられるでしょうか。「管理費」「共益費」「敷金」「礼金」「仲介手数料」などがありますね。これらももう少しグルーピングできそうです。

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 では(1)のグループには「家賃」以外にも入るものはないでしょうか? そのものを借りる費用という点だと「駐車場代」なども入りそうですね。また(2)のグループには他にも「鍵の交換費用」や「退出時にかかるクリーニング費用」、(3)のグループには「更新料」などが追加できそうです。

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 これを「場所」「建築物」でも行います。

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 最終的にはこんなに多くの案が出てきました。ここまでチェックできれば、満足いく部屋選びができそうです。

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