ゼロから構築すると相当な時間が必要となる、組み込み機器向けのディープラーニング画像認識。その学習を最短1週間で行うサービスが提供開始された。ADASやマシンビジョン、VRデバイスなどの開発を加速する。
イーソルとUncanny Vision、ビーティージーコンサルティングは2016年9月13日、組み込み機器に向けたディープラーニング画像認識の検証時間を短縮する「UncannyDL QSK」を提供開始したと発表した。認識対象物の数や対象物あたりの最小画像数、CNNの学習回数などによって3種類のコースが用意されており、価格は50万円から。
これはUncanny Visionの開発した組み込み機器向けディープラーニングライブラリ「UncannyDL」をもとに構築された学習済みライブラリを利用したサービスで、ユーザーは認識対象物の画像を用意するだけで、組み込み機器向けのディープラーニングを利用した画像認識機能を検証できるようになる。
利用に際しては、ユーザーが用意した画像をUncanny Visionのサーバにアップロードするとユーザーの指定した仕様に沿って畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)の学習が開始され、約1週間後にLinuxもしくはAndroid環境にて実行できるディープラーニング画像認識アプリケーションが提供される。
キット名称 | KitA | KitB | KitC |
---|---|---|---|
認識対象数 | 5種類まで | 10種類まで | 10種類以上 |
認識対象物あたりの最小画像枚数 | 300枚 | 300枚 | 300枚 |
CNN学習回数 | 1回まで | 2回まで | 応相談 |
画像アップロード回数 | 1回まで | 2回まで | 応相談 |
成果物 | 画層認識アプリ(AndroidまたはLinux対応) | 画層認識アプリ(AndroidまたはLinux対応) | 画層認識アプリ(Android、Linux、他OS対応) |
価格 | 50万円 | 80万円 | 応相談 |
提供されたアプリケーションは組み込み機器に最適化されているためにクラウドやネットワーク接続なしでの画像認識が可能であり、Caffeの2〜4倍の実行速度を持ち、3分の1のメモリ容量を実現する。本サービスを用いることでディープラーニングそのものや学習用画像の有効性、組み込み機器での実用性などを検証できるため、同社ではCNNの検証から機械学習、実装という開発工程の大幅な短縮が可能になるとしている。
なお、UncannyDL QSKはディープラーニングの検証を目的として提供されるもので、UncannyDLを組み込んだ製品を開発する際には「開発ライセンス」、量産の際には別途料金が必要となる。
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