「孫正義に頼らずに、革新的なソリューションを見つけたい――」。ソフトバンクは、コネクテッドカーなど6分野の産業に関して、「ソフトバンクと何かやりたい」と考える企業を探している。公募制度「ソフトバンク イノベーションプログラム」を通じて2016年9月30日まで募集中だ。最終選考に残ったアイデアは、プロトタイプの開発やテストマーケティングを経て商用化する。
「孫正義に頼らずに、革新的なソリューションを見つけたい――」。ソフトバンクは、コネクテッドカーなど6分野の産業に関して、「ソフトバンクと何かやりたい」と考える企業を探している。公募制度「ソフトバンク イノベーションプログラム」を通じて2016年9月30日まで募集中だ。最終選考に残ったアイデアは、プロトタイプの開発やテストマーケティングを経て商用化する。
ソフトバンク イノベーションプログラムは、2015年からスタートした。法人が応募可能な制度で、外部とのシナジーを創出することを目的としている。2015年は4つのテーマに対し国内外から173件の応募があった。
ベンチャーや中小企業だけでなく大企業も参加しているという。「日頃取引のある企業でも、応募内容を見ると話題に上ったことのないアイデアや技術だった例がある。公募の形だからこそ見つけられることもあるのではないか」(ソフトバンク)。
第2回となる2016年は、「スマートホーム」「コネクテッド・ビークル」「ヘルスケア」「フィンテック」「VR/AR/MR」「ドローン」の6分野でサービスやソリューションのアイデアを募集する。また、募集するサービスやソリューションは、国内市場向けに展開できることが前提となる。2016年内に最終選考を終え、2017年1月からテストマーケティングに移る。
「応募するとアイデアをソフトバンクにとられるのではないか」「応募した内容は自社で使えなくなるのではないか」という懸念を払拭するため、ソフトバンクからの出資や契約、ソフトバンクによるアイデア無償利用などは、個別で柔軟に協議していく。
自動車分野の募集は2015年に続き2回目となる。自動車に関しては「安全運転」「バイタルセンサー」「セキュリティ」をキーワードとしたソリューションを募集しているが、「後発として自動車メーカーやサプライヤの提案を後追いするのではなく、自動車業界でやっていないところを狙って行きたい。通信の付加価値が生まれるものを求めている」(ソフトバンク)という。
2015年にはスマートフォンを車内に置いてどのように活用できるか、という提案が集まった。具体的にはドライバーの眠気検知や、信号の切り替わりの予測などがあった。
同プログラムで最終選考に残ると、テストマーケティングを通じて商用化にめどをつける。2015年の公募における自動車分野では、米国のベンチャー企業であるUrban EnginesとDrivemodeが最終選考を通過し、日本国内で日系企業の協力を得ながら試験導入中だ。
Drivemodeは、運転中に画面を注視せずにスマートフォンを操作できるようにするアプリを手掛けている。ナビゲーション機能、メッセージへの返信、音楽再生などの操作画面をシンプルな構成にし、車両に関係なく普段通りにスマートフォンが安全に操作できるようにしている。国内のレンタカー事業者と連携して、レンタカーの車両に同アプリを試験的に導入している。
Urban Enginesは、人間やモノの移動の記録を分析して地図上に再現するプラットフォームを持つ。時間帯や曜日ごとに道路がどのように混雑するのかを可視化する。路線バスの運行の最適化や、タクシーの収益性向上、物流の効率化などにつなげられるという。こちらは国内の物流事業者とともにテストマーケティング中だ。
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