Dautenhahn氏の論文(「Socially intelligent robots: dimensions of human-robot interaction」)が世に出た当時、HRI研究の課題として指摘されていたのは、大きく分けて次の2点である。
研究者が実験に使ったロボットの外見や性能が異なれば、人の反応も全く異なるものになるであろうし、また、いくら人型ロボットを人に似せたといっても被験者は人と同じように見なしてはくれない。こうしたHRIの研究のボトルネックの解決に一石投じたのがWillow Garageだ。
Willow GarageのHRI研究グループでは開発した標準ロボットのPR2を使い、また、他のロボットとの比較を行うことによって、過去のHRI研究の一般化に取り組んだ。また、既存のHCIをはじめとする関連分野の研究成果をHRIに適用していったのである。
筆者紹介
京都大学大学院工学研究科を修了。ヒューマンインタフェース設計、自動運転システム開発に携わる。その後、戦略コンサルティング会社のアーサー・D・リトルに参画し、主に自動車、機械、電機、化学の分野で新規事業開発、事業・イノベーション戦略策定、M&A支援などを行う。2015年に渡米し、現在はサンフランシスコの起業家・エンジニア育成プログラムに参加する傍ら、ロボットスタートアップの立ち上げに従事。Silicon Valley Roboticsメンバー。@kazookmtでベイエリアの情報を発信。
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