これに対してSPM LIGHTは、売上高が数百億円、保守部品の在庫金額が数億円レベルの企業でもSPMを利用できるように、導入のハードルを下げたソリューションとなる。三瀬氏に続いて登壇した、ISID エンジニアリングソリューション事業部 事業部長補佐 兼 戦略技術ユニット長の川口宏氏は「SPMのフル機能を導入する場合にはどうしても8〜10カ月はかかる。SPM LIGHTでは、在庫計画を自動化する保守部品の対象を、需要頻度(受注のある月)が年間10カ月以上の高回転、年間4〜9カ月の中回転に絞り込むことで、導入期間を12週間にまで短縮した」と説明する。
SPM LIGHTを導入する際には、グローバル200社以上で採用されているSPMの経験から得たノウハウから構築したテンプレートを用いる。目標即納率や拠点階層、Time-Phase使用、年度計画の必要性などを確認する質問票の回答からパラメータを設定し、保守部品の在庫計画自動化を短期間で実現する。「『Excel』などの表計算ソフトで保守部品の在庫を管理している企業が感じている在庫計画業務の限界を打破できる。そういった企業の課題の多くは『過剰在庫』ではなく『欠品』だ。SPM LIGHTを導入すれば、数カ月で欠品の解消という形でその効果を実感していただけるはず」(川口氏)という。
SPM LIGHTの対象範囲は、1市場限定で、拠点階層も2階層までとなっている。まさにSPMの“LIGHT”な導入形態だ。もし、SPM LIGHTを導入してから、グローバル展開や低回転部品への拡張を目指す場合には、PTCジャパンが8〜10カ月かかるとしていたフル導入の段階になる。「どちらの場合でもプラットフォームは同じ『SPM Core』なので、SPM LIGHTからSPMのフル導入への移行は容易に進められる」(三瀬氏)としている。
ISIDは、同社のエンジニアリングソリューション事業の既存顧客である、産業機械、医療機械、半導体製造装置、電機/精密といた業種に、SPM LIGHTの提案を進めたい考え。川口氏は「大企業であっても、海外の1市場や、事業部といった単位で導入を始められる。SPM LIGHTをきっかけに、保守部品の在庫自動計画の利点を体験してもらいたい」と述べている。
なお、ISIDは、今回のSPM LIGHTをはじめとするPTC ServigisticsやThingWorx関連の売上高について、今後3年間で15億円を見込んでいる。
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