先日、VRで機械の巻き込まれ事故を体験するという、とあるシステムがTwitterで話題になっていました。一体どんなシステムなのか気になったので、少し調べてみました。開発元にも少しお話をお伺いしました。
最近、Twitterでこんなつぶやきが話題になっていました。読者の皆さんは、ご存じでしょうか?
そこには、作業者が機械に手を巻き込まれているらしき様子と、血がほとばしる手元の様子が描かれています。労働災害を体験するVR(仮想現実)技術によるシステムのようです(関連リンク:指がー!! 労働災害をバーチャル体験できるVRマシンが臨場感ありすぎて危機回避力が鍛えられそう)。
画像に書かれていた製品説明は、下記のような内容でした。
労働災害をバーチャル体験!
「セーフマスター」シリーズは、VR技術による”錯覚”を体験できる装置です。
事故に巻き込まれる”錯覚”を体験することで、危険に対する注意力を高めます。
開発元によるデモ動画がこちらです。機械に作業者の手が巻き込まれ、出血する様子をシミュレーションしています(血が苦手な方はご注意ください)。ユーザーが製造装置に見立てた機械で作業している手元に、VRによる映像が映っています。
動画と分かっていても、思わず「うわっ」という声が出てしまいます……。
このシステムの名は「セーフマスター」。VR技術により、労働事故を仮想空間に再現し、体験するシステムです。3D画像の手の動きと、現実の作業者の手の動きとを連動させています。画面で実際にバーチャル表現するのは、装置と手元のみです。振動モータアレイがマウスに付加されており、手に伝わる感覚も再現します。
同システムを開発したのは、VRシステムを開発・販売するソリッドレイ研究所です。ちなみに、Twitterで話題になっていたことは、筆者がお知らせするまで、同社の担当さんはご存じでなかったとのことでした。
さて、ツイート主の@kknifさんいわく、「トラウマになりそう」ということなのですが、この体験をすることで作業に対して恐怖感を余計に覚えてしまうということはないのでしょうか?
「この体験の前後に、安全に対する適切な教育を実施します。作業に対する危険を回避する方法を併せて学習することで、単なるアミューズメントではない、“実のある経験”をすることが可能です。初めての作業で事故体験すると恐怖感が生まれるかもしれませんが、普段作業している人たちであれば、作業に対して恐怖感が生まれるとは考えていません」(ソリッドレイ研究所)。
また「血が苦手」という方は結構いらっしゃるかと思います。ツイートでも紹介されていた製品紹介では血が鮮やかな赤で表現されていますが、色を変えたり、キラキラの画像効果に変更したりするケースもあるそうです。「リアルな画像を見なくても、自分の手が事故に遭う状態が既に危険と感じているため、教育の効果は薄れない」と同社は考えるそうです。
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