Dassault Systemes(ダッソー)社長兼CEOのベルナール・シャーレス氏は「今まさにエクスペリエンスエコノミー(経験経済)の時代がやってきている。われわれが提唱してきた『3Dエクスペリエンス・プラットフォーム(3D Experience Platform)』であれば、エクスペリエンスエコノミーにおける製造業の成功を助けられる」と訴えた。
Dassault Systemes(以下、ダッソー)の日本法人であるダッソー・システムズは2016年5月31日〜6月1日、東京都内でユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2016」を開催。同イベントに併せて、来日したダッソー社長兼CEOのBernard Charlés(ベルナール・シャーレス)氏が記者会見を行った。シャーレス氏は「今まさにエクスペリエンスエコノミー(経験経済)の時代がやってきている。われわれが2012年から提唱してきた『3Dエクスペリエンス・プラットフォーム(3D Experience Platform)』であれば、エクスペリエンスエコノミーにおける製造業の成功を助けられる」と強く訴えた。
エクスペリエンスエコノミーでは経験が経済価値になるとされている。製造業が作り出す製品であれば、製品そのものではなく、製品を使用することで生み出されるサービスやソリューションに価値が見いだされるようになっているのだ。シャーレス氏は「デジタル化によってエクスペリエンスエコノミーが拡大を続けている。当社は、3Dエクスペリエンス・プラットフォームによって製造業がスパイラルイノベーションを起こせるようにしていく」と語る。
3Dエクスペリエンス・プラットフォームでは、製品の設計開発や生産、販売、マーケティングなど、製造業の一連のビジネスを1プラットフォームでカバーすること目指している。2012年から始めた提案活動の成果は、2015年の決算結果にも反映されているという。「売上高は2桁成長を続けており、どの競合他社よりも成長していると言っていい。特に新規のライセンス収入が成長を支えている。地域別に見ても、米国、欧州、アジアの3地域全てで2桁成長を達成した。中国市場がスローダウンしたにもかかわらず2桁成長したアジアは、日本市場の好調さによるところが大きい」(シャーレス氏)。また大口顧客の新規獲得による売上高も20%近い成長を遂げた。これは、企業買収を含めて産業ソリューションの強化に努めてきたからだという。
顧客の多様化も進展している。従来、ダッソーの顧客は自動車や鉄道、航空宇宙といった分野が中心だったが、エネルギーやライフサイエンスといった新規分野が占める割合はソフトウェア収入の30%まで拡大している。
ダッソーにおける日本市場の売上高成長はしばらく続く見込みだ。シャーレス氏は「日本の顧客は変革を遂げようとしているし、それを続けなければならない。各分野で見れば成功している日本の製造業だが、エクスペリエンスエコノミーで求められる分野間をつなげることによる新しいものの創造は苦手だ。3Dエクスペリエンス・プラットフォームはその手助けが可能だ」と強調する。
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