CC-Link協会とOPC Foundationは、スマートファクトリー実現に向け、製造現場の装置と企業ITシステム間のインタフェース統一に向けて連携していくことで合意した。
CC-Link協会(CLPA)とOPC Foundation(OPC協議会)は2016年4月26日、ハノーバーメッセ2016(2016年4月25〜29日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、スマートファクトリー実現に向け、製造現場の装置と企業ITシステム間のインタフェース統一に向けて連携していくことで合意し、覚書(MOU)を締結した。
ドイツ連邦政府が推進するインダストリー4.0や産業用IoT(Internet of Things、モノのインターネット)などへの取り組みが加速する中、IT技術を活用した高度な生産システムの実現に向け機器やシステムが「つながる」ことの重要性が求められるようになってきている。しかし、現実的には製造現場にはさまざまな装置が存在し、それぞれの装置が異種システム環境を作り上げている。そのため、装置と企業ITシステムの連携を実現するには多大なエンジニアリングコストが必要となっている。
今回の提携は、この異種環境間を結ぶエンジニアリングコストや負担を低減し、工場と企業ITシステムとの連携を容易にすることを目指したものだ。
CLPAが普及を進めている産業用フィールドバス「CC-Link」や産業用イーサネット「CC-Link IE」は、アジアを中心とした世界各地の製造設備で採用されている。一方で、OPC協議会が推進する「OPC UA」は、ドイツが進めるインダストリー4.0において、製造現場と企業ITシステムを結ぶ推奨規格とされており、ハノーバーメッセ2016でもさまざまな機器が対応製品を用意している。
こういった背景から、CLPAはまず、製造現場のデバイス情報を扱うプロファイル「CSP+」を拡張し、情報を統一的に扱う仕組みを構築する。さらに、OPC協議会との協力のもとOPC UAモデルへのマッピングを行うことで、連携する仕組みを実現することを目指すとしている。
工場内などで使う産業用ネットワークでは、従来は規格の主導権争いなどが行われていたが、インダストリー4.0などスマートファクトリー実現を目指す動きの中で、オープン化や連携が加速。2015年12月には、CLPAと、PROFINETを推進するPROFIBUS&PROFINET Internationalが相互接続で連携することを発表※)している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.