オラクルはIoTクラウドサービスとして「Oracle IoT Cloud Service」を展開している。説明会では、本多氏が「従来のM2Mよりも素早く俊敏性を持って対応するとともに、継続的に改善を行い、セキュリティも確保しなければならない」という、現行のIoTの需要に対応した事例が2件報告された。
1件目の事例は、ソフトバンクと同子会社のPSソリューションズが展開する、パーソナルモビリティをIoTのエンドデバイスとする「Internet of Moving Things」だ。Internet of Moving Thingsは、瀬戸内海の離島である豊島でホンダの電動バイク「EV-neo」をレンタルするサービス「瀬戸内カレン」として展開されている。
ソフトバンク IT統括 ITサービス本部 CPS事業推進室 室長の山口典男氏は「瀬戸内カレンは、電気自動車や電動バイクへの充電を管理できる『ユビ電』がベースになっているが、そのシステム実装においてOracle IoT Cloud Serviceは極めて効果的だった。2週間足らずのスピードで実装/展開できただけでなく、機能拡張も既に数回実施しているし今後も継続していく。認証や暗号化、管理も確実に行えている」と説明する。
2件目の事例はNECの取り組みになる。同社はOracle IoT Cloud Serviceと連携するゲートウェイサーバを利用するための機能検証を行った。今回の検証では、同社の顧客が持つ海外の工場へ、新たな設備を導入するケースを想定した。ゲートウェイサーバには既存設備の情報を管理するアプリケーションが組み込まれている。今回は同サーバへの新設備管理用アプリケーションの導入と、その運用開始を全てリモートで実施する検証を行ったが、検証結果では、新アプリケーションの導入とリモート運用も2週間で実装できるという結果になった。「Oracle IoT Cloud ServiceはPaaSとしての完成度が高く、NECがほぼ自前で設定作業を行うだけで実現できた」(日本オラクル)としている。
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