日本オラクルは、「Javaを活用したInternet of Things(IoT:モノのインターネット)の取り組み」に関する記者説明会を開催。2014年4月30日(米国時間)に提供開始予定の「Java ME Embedded 8」の概要と、Java ME Embedded 8を活用したIoTへの取り組みを紹介した。
日本オラクルは2014年4月22日、「Javaを活用したInternet of Things(IoT:モノのインターネット)の取り組み」に関する記者説明会を開催。同年4月30日(米国時間)に提供開始予定の「Java ME Embedded 8」の概要と、Java ME Embedded 8を活用したIoTへの取り組みを紹介した。
Java ME Embeddedは、センサーデバイスや通信モジュールといった小型の組み込みデバイスをターゲットとしたJavaの実行環境。携帯電話での採用実績が有名だが、ワイヤレスモジュール、ゲートウェイ、スマートメーター/センサー、FA制御機器、医療機器、IoT/M2M向けソリューションなどでの利用が見込めるという。
その最新版であるJava ME Embedded 8は、柔軟なメモリサイズに対応できるのが特徴の1つであり、「Full Profile Set」「Standard Profile Set」「Minimum Profile Set」の3種類のプロファイルセットが用意されている。
Full Profile Setは、Java ME Embedded 8の全ての機能・APIを搭載するプロファイルセットで、RAM容量2Mバイトから稼働する。マルチタスキング、アプリケーション管理、共有ライブラリ/イベントなどの機能を備えたStandard Profile Setは、RAM容量512Kバイトから稼働。最も容量の少ないMinimum Profile Setは、RAM容量128Kバイトから稼働し、最小限のアプリケーションモデルと通信モジュールAPIなどで構成される。
また、Java ME Embedded 8では新たな機能追加として「メッセージング、ロケーション、無線通信、プロトコル&データ変換、センサー、セキュリティ&管理の強化、WebサービスなどのAPIが新規追加されている」と、日本オラクル Java Embedded グローバル・ビジネス・ユニット シニアセールスディレクターの島田源氏は説明する。
同社は、IoTを取り巻くシステム環境の全てにおいてJavaを展開することで、統一された開発・セキュリティ・管理を実現しようと考えている。「既に、ゲートウェイ機器にはJavaが普及しているが、今後は、ネットワーク接続デバイスにもJava ME Embedded 8を展開していきたい。何でもつながるIoT環境は多くの異なるプラットフォームが混在することになる。こうした中、Java VM(仮想マシン)が混在環境を吸収してくれるので、開発や管理がしやすくなる」と島田氏。
さらに、IoT環境でのJava採用はセキュリティ対策にも効果を発揮するという。「IoTというと、サーバ側のセキュリティ強化に目が行きがちだが、エッジデバイスにもセキュリティ対策を講じる必要がある。その際、Java VMが外部からのハッキングなどをブロックしてくれる。IoT環境にJavaを採用することで、セキュリティを強化することができる」と島田氏は説明する。
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