シーメンスヘルスケアは、医療施設の業務効率改善に役立つ情報を提供するクラウドサービス「teamplay(チームプレイ)」の販売を開始した。全世界から収集される医用情報を基に、医療施設のさらなる改善や取り組みを安全にサポートするものだ。
シーメンスヘルスケアは2016年4月から、シーメンスの画像診断装置から得られる情報のビッグデータを基に、医療施設の業務効率改善に役立つ情報を提供するクラウドサービス「teamplay(チームプレイ)」を発売する。
医療環境が変動する中、ますます戦略的な病院経営が求められており、その方向性を判断するためには、さまざまな情報を包括的に分析し把握することが必要になるという。
teamplayは、全世界から収集される医用情報を基に、分析結果などをフィードバックすることで、医療施設のさらなる改善や取り組みをサポートするものだ。
まず、ワンクリックで装置や検査部位ごとの線量情報をリアルタイムにモニタリングできる。その他、自施設のデータ管理だけでなく、ビッグデータの解析によって自施設の線量を地域の他施設の目標値や国のガイドラインと比較検討でき、簡単な操作で可視化できる。
また、装置の利用状況分析も可能で、撮影した画像情報から自動的に装置や業務フローのパフォーマンス状況をモニタリングできる。期間や時間当たりの検査数といった基本統計情報に加え、装置や検査部位、操作者ごとの検査数や検査間隔時間などをリアルタイムに表示可能なため、利用状況を客観的に把握できる。また、ビッグデータの活用により、検査数や検査内容などについて、規模や機能が同等の施設と比較することができる。数値による検査ワークフローの評価は、運用効率の見直しにもつながるという。
さらに、放射線の線量情報の結果から、画質と被ばくのバランスを考慮し、プロトコルの見直しができる。施設にとって有用と認められたプロトコルを、リモートで全ての装置に適用することも可能だ。操作者の経験による検査のばらつきを抑え、施設内の検査の標準化に貢献する。
現在、医用画像は他のIT情報などと比べて活用が遅れているが、その背景には個人情報をネットワーク上で扱うリスクの問題がある。teamplayは、個人を特定する情報は削除、または変換し、データのプライバシーを保護する機能があるため、分析に不要な個人情報の利用レベルをコントロールできる。データプライバシーに関する、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability法)などのグローバルな規制にも準拠している。
また、医療機関に向けて厚生労働省・総務省・経済産業省が示す4つのガイドラインにも適応可能なクラウド環境である「Microsoft Azure」を採用。teamplayにアップロードされたデータは暗号化され、秘匿性が保たれる。最新の技術でセキュリティ侵害や悪意のあるアクセスからデータを安全に保護できるという。
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