トヨタ自動車は、中国市場向けに環境/安全技術の投入を強化する。2016年内に排気量1.2l(リットル)の直噴ターボエンジンを投入。2018年には中国現地で開発/生産したプラグインハイブリッドシステムを製品化し、「カローラ」「レビン」の2車種に搭載する。「Toyota Safety Sense」も中国市場向けに2016年中に展開する計画だ。
トヨタ自動車は2016年4月24日、中国市場向けに環境/安全技術の投入を強化すると発表した。2016年内に排気量1.2l(リットル)の直噴ターボエンジンを投入。2018年には中国現地で開発/生産したプラグインハイブリッドシステムを製品化し、「カローラ」「レビン」の2車種に搭載する。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」も中国市場向けに2016年中に展開する計画だ。
排気量1.2lの直噴ターボエンジンは「高熱効率・低燃費エンジン群」の1つとして2015年4月に発表したもので、コンパクトカー「オーリス」に搭載して日欧に展開している。高効率の高速燃焼や、負荷に応じたバルブ開閉制御が可能な連続可変バルブタイミング機構「VVT-iW」によるアトキンソンサイクルカによって、「世界トップレベル」(トヨタ自動車)となる最大熱効率36%を達成した。
また、コンパクトな水冷式インタークーラーの採用で、エンジンの熱負荷に左右されず運転状況に応じた吸気冷却効果を発揮できる。これにより、ターボラグと呼ばれるターボエンジン特有のアクセル操作に対する応答遅延を低減した。最高出力は85kW(5200〜5600rpm)、最大トルクは185Nm(1500〜4000rpm)。
このエンジンは、TNGA(Toyota New Global Architecture)適用車種の第2弾となる新型クロスオーバーSUV「TOYOTA C-HR」にも搭載される予定だ。同モデルでは四輪駆動(AWD)システムもしくは6速MTと組み合わせる。C-HRは日欧を始めグローバルで販売する。
ハイブリッド車に引き続き、プラグインハイブリッド車も現地での開発/生産を推し進める。トヨタ自動車は2005年に中国で「プリウス」の組み立てを開始。日本以外での初めてのハイブリッド車生産となった。また、環境技術の現地化を図るため、2010年にはトヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社を設立した。
さらに2011年には、ハイブリッド車用のバッテリーを生産する新中源トヨタエナジーシステム有限公司と、ハイブリッド用トランスアクスルの製造を手掛けるトヨタ自動車(常熟)部品有限会社を設立し、ハイブリッドシステムの基幹部品を現地生産する体制を整えてきた。
中国産ハイブリッドシステムは、2015年秋に「カローラハイブリッド」「レビンハイブリッド」に搭載されて市場に出た。両モデルの累計受注台数は4万台となっている。中国現地で培ったハイブリッド技術を生かして、プラグインハイブリッドシステムの現地生産に取り組み、2018年に中国の量販車種である「カローラ」「レビン」にプラグインハイブリッドモデルを設定する計画だ。
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