TDKは、「MEDTEC Japan 2016」において、小型機器やカード型デバイスに最適な、電磁誘導方式のワイヤレス給電技術を披露。電磁誘導方式の課題だった、送電コイルと受電コイルの正確な位置合わせが不要であり、同時に複数台の機器へのワイヤレス給電も可能だという。
TDKは、医療機器設計/製造の展示会「MEDTEC Japan 2016」(2016年4月20〜22日、東京ビッグサイト)において、ヘルスケア用途のような小型機器やカード型デバイスに最適な、電磁誘導方式のワイヤレス給電技術を披露した。電磁誘導方式の課題だった、送電コイルと受電コイルの正確な位置合わせが不要であり、同時に複数台の機器へのワイヤレス給電も可能だという。
同社はスマートフォンなど向けのワイヤレス給電規格Qi(チー)にも利用されている電磁誘導方式と、電気自動車など大出力のワイヤレス給電に用いられることが想定されている磁界共鳴方式、両方式のワイヤレス給電に対応する技術を有している。
今回展示した電磁誘導方式のワイヤレス給電技術は、充電出力が1W以下で済む、補聴器クラスの小型機器やカード型デバイス向けのものだ。一般的な電磁誘導方式のワイヤレス給電では、送電コイルと受電コイルの中心が10mm以上ずれると、給電効率が大幅に低下してしまう。また、1つの送電コイルから、1つの受電コイルにしか給電が行えない。しかし、小型機器やカード型デバイスは、サイズが小さいこともあって、ワイヤレス給電のための位置合わせをしづらく、利便性を大幅に低下させる可能性もある。
展示では、小さなポット型の入れ物に小型機器を入れるだけでワイヤレス給電が始まるデモンストレーションを行った。また、カード型デバイスについては、名刺受けのようなケースに10枚近くを縦方向に挿入するだけでワイヤレス給電を始められる。「電磁誘導方式のワイヤレス給電は低コストだが、位置合わせと複数台対応が課題だった。当社の技術を使えば、電磁誘導方式の課題を解決でき、低コストというメリットを小型機器やカード型デバイスで享受できる」(TDKの説明員)という。
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