dヘルスケアパックの契約拡大を支える入門用アプリとなるのが歩いてオトクだ。歩いてオトクは、ドコモ・ヘルスケアとDeNAライフサイエンスの共同開発アプリとなる。
ドコモ・ヘルスケア社長の和泉正幸氏は、村上氏が挙げた70%の健康無関心層へのアンケート結果を挙げながら、「健康のための取り組みをできる人は少数。『時間がない』『簡単に取り組めなさそう』『楽しさを感じない』などできない理由はさまざまだ。これらの理由を乗り越えて続けられるヘルスケサービスは何なのかと考えた。そこでわれわれが提供するのが、いつも通り歩くだけで楽しくてオトクな、歩いてオトクだ」と述べる。
歩いてオトクは、スマートフォンもしくはリストバンド型活動量計「ムーヴバンド2」「ムーヴバンド3」で計測した1日当たりの歩数によって、NTTドコモのポイントサービスであるdポイントを提供するアプリだ。
dポイントの提供タイミングは大まかに分けて2つ。1つは歩いてオトクへのログインだ。毎日1回だけだがログインするだけでよい。もう1つは、1日当たりの歩数を目安にしたツアーの達成時である。ツアーは、国内外の観光スポットを歩いて回るイメージになっており、途中に幾つか設定されている観光スポットでプレゼントボックス(金、銀、通常の3種類)が手に入り、ゴール地点に到着すれば各プレゼントボックスに入っているdポイントを獲得できる。
和泉氏は、dポイントの獲得目安として「日本人男性の1日当たりの平均歩数である7000歩以上を毎日歩けば1カ月で500ポイント得られる。dポイントが1ポイント当たり1円相当であることを考えれば、歩いてオトクの月額300円よりオトクになる」と説明する。また、ムーヴバンド2やムーヴバンド3と一緒に使うと、スマートフォンを持っていない時の歩数をカウントできるだけでなく、ツアーのゴールでもらえるdポイントが増量される。
歩いてオトクの開発は「『いつも通り歩くだけで楽しくてオトク』というコンセプト設計を除き、ほぼ全プロセスにわたってDeNAと共同で行った。特に、ゲーミフィケーションによってアプリを長く楽しんで使ってもらえるような仕掛けはDeNAのノウハウが生かされている。今後の運営も共同で進めて行く」(和泉氏)とした。今後の提携拡大については明言しなかったが、dヘルスケアパックや歩いてオトクの展開状況によっては十分あり得えそうだ。
課題は、サービス開始時点でNTTドコモ契約者に限定されていることだろう。NTTドコモは「dTV」「dマガジン」などをNTTドコモ契約者に限定しないキャリアフリーサービスにして展開している。ヘルスケアデータを一元管理する仕組みを作り上げるためには、NTTドコモ以外のキャリアやMVNOの契約者を取り込んで行くため、dヘルスケアパックもキャリアフリーサービスする必要があるだろう。
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