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» 2016年03月15日 00時00分 公開

WoT(Web of Things)と化すIoTに待ち受ける、分断された未来SYSTEM DESIGN JOURNAL(3/5 ページ)

[Ron Wilson,(Editor-in-chief,Altera),MONOist]

最も小さいモノ

 エンドポイントが小さくなるにつれて、問題の性質が変わってきます。Androidが動作し、10Mbpsイーサネット・ポート経由でReSTfulな接続をサポートするAC電源方式の工業用コントローラーを想像することは簡単ですが、ここではやや軽量なデバイスについて考えてみましょう。

 Muller氏はARM TechConの基調講演で、現在プロトタイプのインスリン・ペンについて説明しました。まずキャップを取り外し、体に刺して血液サンプルを採取します。ペンはサンプルを分析し、結果をBluetooth経由でスマートフォンアプリに報告します。サンプル採取、分析、送信に必要なエネルギーは全て、キャップを取り外す際に行った作業から賄われ、デバイスはその他の電源を備えていません。

 ほんのわずかな電力で動作するCortex-M0サイズの小型MCUは、Webサイトのホストあるいはその他の種類のHTTP終端として有望ではありません。それにもかかわらず、ARMは、ワイヤレスハブを介して小さなエンドポイントをWebベースのIoTに組み込むプラットフォームの構築を進めています。そのプラットフォームの基礎をなすのは小型のmbedカーネルです。

 これは、シングルスレッドモニタ、センサーインタフェース、ワイヤレスモデル用ドライバ、データのトランスポートに十分なプロトコルスタックを含むサービスのパッケージです。

 一例を挙げると、NXPは低消費電力ワイヤレストランシーバーを統合したMPU-radioファミリーのMCUにmbedを使用しています。NXPの主席プロダクト・アプリケーション・エンジニアであるIanMorris氏は、mbedの役割として小型軽量モニタだけでなく、ハブへのThread接続もあると説明します。Threadは、IoTエンドポイント向けの多企業間プロトコルです。IEEE802.15.4ワイヤレス・メッシュ・ネットワーク上で6LoWPANプロトコルを使用し、IPアドレス指定および高度暗号化規格(AES)に対応しています。

 モノをThread経由でスマートハブに接続するか、Bluetooth経由でスマートフォンに接続すると、モノから、インターネットを介してクラウドとのHTTP接続を維持できるデバイスまでの経路が確立されます。ARMは、このヘテロジニアス接続をReSTfulなデータトランザクションをサポートする手段としてだけでなく、フルスケールのエンベデッドOSを小さなモノとクラウドの間でパーティショニングする手段、いわば「Operating System as a Service」として構想しています(図2)。

図2.完全なエンベデッド・オペレーティング・システムを極めて単純なモノ、ハブ、クラウドの間でパーティショニングすることが可能 図2.完全なエンベデッド・オペレーティング・システムを極めて単純なモノ、ハブ、クラウドの間でパーティショニングすることが可能

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