「第4次産業革命をやれ」といわれても、それが何か分からなければ、やりようがありません。矢面氏はまず「第4次産業革命とは何か」を考えるために、専門家を訪ねてみることにしました。
こんにちは。第4次産業革命について伺いに来たグーチョキパーツの矢面です
ようこそ。第4次産業革命研究家の印出鳥代よ。第4次産業革命について聞きたいんですってね
そうなんです。社長から『第4次産業革命をやれ』といわれたんですが、何のことなのかよく分からなくて
そういう人多いのよね。まずは『第4次』といわれているけど、そもそも1次〜3次の産業革命が何か分かる?
さて、産業革命というと、18世紀〜19世紀に英国で巻き起こった「蒸気機関」による機械の導入とそれによる産業構造の変化だというくらいは歴史で習いました。しかし、第2次や第3次は何をさすのでしょうか。
確かによく分からないですね。第4次だけでなくて、第2次も第3次も
第2次産業革命は19世紀後半から20世紀初頭の電力の活用、第3次産業革命は20世紀後半のコンピュータの活用、による産業の新たな変化ということがいわれているわね。そして新しい第4次産業革命は、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)により巻き起こる産業構造の変化だといわれているわ
蒸気機関の登場による第1次産業革命は、従来の人手に頼ったあらゆる産業の機械化・工業化を促しました。それまでに存在した多くの作業がこれらの機械化によって代替され、失われていきました。代わりに機械産業など新しい産業が生まれてきました。第2次産業革命では、電力の活用により機械がさまざまな場所で使えるようになりました。第3次産業革命では、コンピュータの活用により情報を扱うことが可能になり、人の知能に関連するような作業も代替するようなことが可能になっています。
これらのように産業革命は、キーテクノロジーにより産業構造そのものを大きく変革するということがあります。これはすなわち、それ以前に人間が行っていた作業を機械やシステムが代替して担うということが起こり得ます。そして新しい仕事や業務が生み出されていくということが発生するのです。第4次産業革命もIoTをキーテクノロジーとし、産業構造の変革が起こると見られています。それにより、従来あった仕事が失われ、新たな仕事が生まれるというわけです。これは製造業にとっても例外ではありません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.