周辺機器の充実した「MAX 10 NEEK」で本格的な開発を目指す:MAX 10 FPGAで学ぶFPGA開発入門(8)(1/6 ページ)
FPGA開発において周辺機器(回路)は見落とせない要素の1つ。タッチパネルや各種出入力などを備えた「MAX 10 NEEK」を導入して、本格的な開発を目指す。
Photo01:「MAX 10 NEEK」のパッケージ。パッケージサイズは285mm×186mm×88mm(実測値)とやや大きめ
アルテラの開発ボード「MAX 10 FPGA」でソフトコアCPUを構築し、ベンチマークのDhrystoneも動いた。ではいよいよCPUとFPGAに周辺回路を組み合わせて、I/Oのハンドリングを試してみる事にしよう……と思っていた矢先、アルテラから「よければMAX 10 NEEKを使ってみませんか?」という申し出を頂いた。
・連載:MAX 10 FPGAで学ぶFPGA開発入門
この「MAX 10 NEEK」は台湾Terasicが製造し、アルテラも販売するMAX 10評価ボードの1つだが、なにしろ周辺回路がてんこ盛りなのが特徴。5タッチセンサー付きLCDモニター(800×480Pixel)、カメラ、オーディオ入出力、温度/湿度/照度/加速度センサー、パワーモニター、ADC入力/DAC出力、スイッチ/ポテンショメータ/LED/7セグLEDなど搭載されており、DDR3メモリ(合計256KB)、512Mbit Flash、MicroSDカードなども搭載されている。おまけにギガビットイーサネットやUART to USB、PS/2キーボード・マウスなどのインタフェース、更にTMD(Terasic Mini Digital)拡張コネクタも用意され、USB Blaster IIまで実装されているから、本当にUSBケーブルをつなぐだけで開発が行えるという優れものである。
難点はお値段で、Terasicの直販では$359、販売代理店経由だと、例えばMOUSER Electronicsだと\47,185.9と表示されている。昨今の円高を考えるとUSDで決済したほうが多分安いとは思うのだが、それにしても$359はちょっとお高めということで当初は見送った開発キットである。
ただし念のために言っておけば、これまで使ってきた「MAX 10 Evaluation Kit」は本当にMAX 10に習熟するためのトレーニングキットであって、これを本格的な開発に使うのはちょっと無理がある。一方、MAX 10 NEEKはもう製品開発を指向したものであって、最終製品に近いレベルのプロトタイプまで作れる。これが$359というのは相場で考えてもかなりお安い部類に入る。まぁそうは言っても遊びで入手するのにはちょっと、二の足を踏んでいたのだが、使わせて頂けるならこれ幸いと1台手配していただいた。
さてMAX 10 NEEKはちょっと大きめの箱で届いた(Photo01)。内部はMAX 10 NEEK本体と付属品のみであり、ソフトウェア類はTerasicのサイトからダウンロードする形になっている(Photo02)。LCDの裏には基板が実装されている(Photo03)が、細かなチップの説明はMAX 10 NEEKの紹介ページ写真に詳しいので割愛する。
Photo02:さすがにUSB給電では足りないようで、5V/3A出力のACアダプターが付属する。他にUSB Blaster IIと接続用のUSBケーブル、Quick Stard Guide、それとここには見えていない(NEEK本体に既に装着されている)MicroSDカードが付属する
Photo03:基板を写真と比べると、若干の仕様変更(MIPI I/Fの端子がなくなり、LCDコネクタ下の穴のサイズが小さくなり、Lineae Technologyのロゴが入った)が見られる。アクリルカバー付き
- FPGAのソフトコアCPUをベンチマークで測定する
FPGA「MAX10」に「NIOS II」と呼ばれるソフトIPコアを導入することで、ソフトコアCPUを構築できる。ではその処理能力はどれほどか。ベンチマークソフトで測定してみよう。
- FPGA上でソフトコアCPUを動かす手引き
これまでFPGAの開発基礎としてLチカなどを紹介してきたが、今回はちょっと目先を変えてFPGA上でのCPUコア動作に取り組む。今回も連載で使う「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントをご用意。
- よろしいならばダイナミック点灯だ――FPGAでLEDをダイナミックにLチカさせる
単純なLチカならばFPGAでもそう難しくない。ただ、ダイナミック点灯やそれに伴うソースの最適化については“ならでは”のポイントが散見される。今回も連載で利用している「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントをご用意。
- FPGAのLED制御プログラムを深く理解する
FPGA開発に必要なHDLへの理解を深めるため、MAX 10に用意されているArduino I/Oを利用してのLチカを行い、多灯LEDの制御を含めたプログラミングも解説する。今回も連載で使う「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントをご用意。
- FPGAでのLチカをVerilog HDLで理解する
今回はFPGAでのLチカを例に、FPGA開発に必要なハードウェア記述言語の解説をしたい。用いる「Verilog HDL」はArduinoやCの経験がある方なら、理解そのものはそう難しくないと思う。今回も連載で使う「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントをご用意。
- 「MAX 10 FPGA」のテスト環境を構築する
今回から実際に「MAX 10 FPGA評価キット」を利用しての開発に着手する。まずは環境構築だ。キット以外に必要なモノもあるので注意して欲しい。今回も連載で使う「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントをご用意。
- なぜFPGAが注目されるのか、開発ボードに触れて確認する
最近では「FPGAの重要性」について語られる機会が増え、適用事例も増加している。ではなぜ今FPGAなのか。実際の開発ボードでFPGAを学びながら、FPGAへの理解を深めよう。連載で使う「MAX 10 FPGA 評価キット」の読者プレゼントもご用意。
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