アンシス・ジャパンはANSYSの新バージョンを発表した。個々の解析スピード向上に力を入れ、システム全体としてのパフォーマンス向上にも注力した。
2016年1月28日、アンシス・ジャパンは「ANSYS 17.0」を発表。国内販売を開始した。今回のキーワードは「10倍の生産性、洞察力、パフォーマンス」とし、解析スピードなどを大きく向上させたという。また、製品がネットワークでつながり複雑化することに対応するため、各シミュレーション機能の統合を強化した。一方、ANSYS Mechanicalのライセンス形態も刷新した。
アンシス・ジャパン 代表取締役 大古俊輔氏は「今までの延長の方法では、今後のモノづくりはうまくいかないと強く感じる」と述べた。
「製品づくりは1つのものを作るより、むしろ大きなシステムを作る方向に進んでいるのではないか」(大古氏)。そのための製品の作り方も見直す必要があるが、物理的に全てのものを作るのは大変になる。そこで、シミュレーション自体の生産性の向上が求められるという。「さまざまな解析が統合された形で、システム的にパフォーマンスを向上させるべき」だとシミュレーション開発の方向性を語った。
米ANSYS Director of Product Marketing バリー・クリステンソン(Barry Christenson)氏は、「今回のバージョンアップのテーマは『10倍』」だと語った。
10倍としたのは、大きな変化に足る数字と見なせるからだという。具体的には10倍以上の構造解析のスピード、10倍以上でのコア数での流体解析、低周波電磁界解析で10倍を超えるスピードでの解析などを実現しているということだ。
Christenson氏は「ANSYSのポートフォリオは、ここ10年で構造や流体から半導体、電磁気へと広がってきた。今回の改善の大きなポイントは、個別の解析技術の開発を進めただけではなく、それぞれがより密接に連携できるよう、より統合された形を目指して開発されたことだ」と述べた。また「さまざまな技術を統合するためのプラットフォームを持っているのが、シミュレーション業界でアンシスが他と違う大きな要素だ」(Christenson氏)。そのためにシステム全体として製品の性能を評価できるという。
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