2016年のCESで紹介された新たなスマートホームプラットフォームは以上の3つだが、筆者が最も注目したのは、Amazonだ。CESのニュースをフォローしている人ならばご存じと思うが、AmazonはCESに出展していない。しかし、Amazonは着実にかつ急速にスマートホーム市場での存在感を強めており、今回のCESではそれが如実に表れていた。
筆者がそう考えた理由は、会場のあちらこちらでAmazonの音声アシスタント機能搭載スピーカー「Amazon Echo」を見かけたからだ。Amazon Echoに「Alexa」と呼びかけることで、気に入ったプレイリストを再生したり、音声でインターネット検索行い音声により検索結果を返してもらうことが可能となる。また、提携しているPhilipsのLED電球「Hue」も同じく音声によりコントロールすることが可能だ。
この「Alexa」と呼ばれる音声アシスタント機能は、Amazonのクラウドベースの人工知能により実現している。Amazon Echoが登場したころから、筆者はこの製品はスマートホームのハブになると確信していた。それが実現に向けて動き出したのだ。
実はAmazon Echoというデバイスがなくても「Alexa」は至る所に存在している。Amazonは2015年6月、AlexaのAPI「Alexa Voice Service」を開発者向けに公開した。これにより、開発者は数行のコードを追加するだけで、スピーカーとマイクを持つIoTデバイスをAlexaの頭脳と統合できるようになった。
その結果、自動車から台所用スピーカーまで、さまざまなデバイスがAlexaの音声サービスを利用できるようになった。クルマから利用する場合は、スマートフォンや車載インフォテイメントシステムから家のAmazon Echoを呼び出し、鍵の開錠/施錠や空調設定などが行える。
Alexaを利用したサードパーティー製品としては紛失防止デバイス「TrackR Bravo Tag」や音声UIを搭載した台所用スピーカー「Invoxia Triby」などが登場しており、筆者はこのAlexaは消費者、デバイスメーカー、Amazonのそれぞれにとって大きな意味を持つと考えている。
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