今、厳しい状況に置かれている金型業界が生き残る道について考えた。
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円高により各メーカーの海外生産へのシフト、および技術者の海外流出が進み、日本国内の空洞化といわれている今、特に厳しいのが金型業界。これまでの日本の金型メーカーの強みといえば、次のような他にはまねできない職人技・ノウハウでした。
それに対し韓国・中国などの金型は、ひと昔前までは「安かろう・悪かろう」で、筆者も過去に製品設計をしていた時は、仕上がってきた部品を見て品質・精度の悪さにビックリした記憶があります。ここ最近では、品質・精度ともに格段によくなり、さらには人件費の安さなどを背景とした単価の安さにより、日本の金型業界の大きな脅威となっています。そんな厳しい状況で、日本の金型業界が生き残るために、今までのやり方を見直す岐路に立っており、実際にそのような動きも起きています(※)。
そこでキーワードとなるのが「金型設計の3次元化」です。製品設計段階で金型要件を設計データに盛り込むことで、製品設計に起因していた金型製作/成形時の問題を事前につぶしこむことができるようになります。
金型設計の3次元化により、高品質・高性能・短納期を実現し、価格勝負ではないプレミア感が今後生き残る1つの策になります。これから、日本の金型業界にも3次元化の波が押し寄せようとしてます。とはいえ、2次元設計から3次元設計への移行というとハードルが高く非常に不安を感じるものです。
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