展示ブースでは、従来試験していたカーボディーをかたどった小さな樹脂型を6倍の大きさにスケールアップし、これまで検証実績のあるステンレス(SUS430)、アルミ(A5052)、軟鋼(SPC270)に加え、自動車業界で採用が進むハイテン材(SPC440およびSPC980)をプレス加工したサンプルを展示していた。
「同一の樹脂型を用い、単純成形加工(何もしないで押すだけ)一発で、それぞれどれくらいきっちり形状が出せるかを検証した。シワ押さえを施さず、単純成形加工でプレスしたのでシワが寄ってしまっている部分もあるが、一番硬いハイテン材(SPC980)以外は1回でおおむね形状を出すことができた。これらは通常、3工程くらい掛けてプレス加工していく必要があるが、1回で決められた。ハイテン材(SPC980)に関しても、この感じであれば2工程でプレスすればいけるのではないか」と説明員。
中辻金型工業ではこれまでの検証結果や、今回初めて試験したハイテン材の結果を踏まえ、金型構造のさらなる改善や金属製金型とのハイブリッド化(片面を金属の金型に、あるいは一部分を金属にする)なども視野に成形精度をさらに高め、デジタルモールドを次世代金型のスタンダードにしていきたい考えだ。
また、豊通マシナリーでは、デジタルモールド・プレスによる成形精度を、非接触式のハイエンド3Dスキャナーや解析ソフトウェアなどを活用して数値化、見える化し、検証・検討のサポートを含めたトータルサービスとして、自動車業界をはじめとする製造業に、デジタルモールドの技術を訴求していきたいという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.