製品開発ではシーズとニーズをいかに結び付けるかが重要なのですが。
先日、東京医科歯科大学の記者懇談会に参加しました。東京医科歯科大学と聞くと、その名前の通り医学部と歯学部の大学だろうと思われるでしょうが、実は工学系の研究も行っています。
記者懇談会では、同大学で歯科材料を含む生体材料学や医療機器を研究している生体材料工学研究所 教授の川嶋健嗣氏が手術支援ロボットの開発について講演を行いました(関連記事:空気圧手術支援ロボット「EMARO」が早期に製品化できた理由)。
手術支援ロボットというと、Intuitive Surgicalの「da Vinci(ダヴィンチ)」が市場を独占しています。川嶋氏はそこに風穴を空けるべく、空気圧アクチュエータの技術を基にした手術支援ロボット「IBIS」の開発を目指しています。IBISの上市時期は2019年とまだもう少し時間がかかりますが、IBISで培った技術を早期に実用化する形で2015年8月に発売されたのが「EMARO」です。
川嶋氏が、IBISやEMARO、人間がロボット化するという手術支援システムのコンセプト「ロボサージャン」のことを説明する中で何度も言及していたのが、医療機器のユーザーである医師からの助言でした。
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