制御演算処理能力や耐環境性を強化した新CPUモジュールを発売FAニュース

横河電機は、ネットワークベース生産システム「STARDOM」の機能強化版を発表した。制御演算処理能力や耐環境性が強化されたもので、2016年春に発売される。

» 2015年11月24日 07時00分 公開
[MONOist]

 横河電機は、ネットワークベース生産システム「STARDOM(スターダム)」の機能強化版を2016年春に発売すると発表した。CPUモジュールの高速化と耐環境性、エンジニアリングツールの機能を強化した。

 STARDOMは、自律型コントローラー「FCN」とSCADAソフトウェア「VDS」で構成するネットワークベースの生産制御システムとなる。

 今回発売されるのは、FCN用の新CPUモジュールで、従来製品の5倍に相当する制御演算処理能力を発揮し、ギガビット・イーサネットにも対応する。コンプレッサ、タービン、大型風力発電など、高速制御機能が必要な装置への導入が可能だ。処理能力が向上したことで、複雑なアプリケーションへ導入しても安定制御できる。また、上位システムとの二重化通信を確保しながら、さまざまな通信規格のネットワークに対応するため、CPUモジュールにイーサネットを4ポート内蔵したモデルがラインアップされた。

 耐環境性の強化としては、設置環境の温度条件を拡大した。高地・砂漠といった石油やガスの掘削現場において、生産設備のコントローラーは過酷な気象条件でも安定した制御性能が求められる。そのため、従来の0〜55℃に加えて、−20℃〜70℃に対応するタイプが加わった。また、ファイルへのアクセス中の不意な電源断においてもシステムに影響を与えない、強固なファイルシステムを採用している。

 また、エンジニアリングツール「ロジックデザイナ」にCPUモジュール内のプログラムとPC上のプログラムを照合する機能を追加。改造時の作業ミス削減につながるという。PCと接続しなくてもSDカードを活用して、システムのアップデートや保守作業に必要なシステム情報を取得できる。

 さらに、新CPUモジュールには各種機能が搭載済みのため、ライセンス取得作業が不要となり、容易にSTARDOMを導入できるようになった。

 用途は、中小規模の生産設備の監視、操作、制御、データ収集、記録など。石油・天然ガス田、パイプライン、上下水道など広域に分散する設備や中小規模プラント、中小型発電設備に向ける。

photo ネットワークベース生産システム「STARDOM」

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