富士重工業は、「東京モーターショー2015」において、自動運転機能などの先進安全技術を搭載して同社の将来ビジョンを具現化した「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT」と、次期「インプレッサ」のデザインスタディモデルである「IMPREZA 5-DOOR CONCEPT」を世界初公開する。
富士重工業は2015年10月7日、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)の出展モデルを発表した。自動運転機能などの先進安全技術を搭載して同社の将来ビジョンを具現化した「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」と、次期「インプレッサ」のデザインスタディモデルである「IMPREZA 5-DOOR CONCEPT(インプレッサ ファイブドア コンセプト)」を世界初公開する。
出展ブースのテーマは「New SUBARU Story」。「安心で愉しいクルマを提供することで、お客さまのアクティブな世界が広がり、人生の新たなストーリーがスタートするきっかけとなることを目指す」(同社)としている。ブースでは、5つの大型スクリーンを活用した劇場型ブース「SUBARU Life Theater」で、同社の世界観を紹介する。
SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPTは、同社の将来ビジョンを具現化した「VIZIV」(「Vision for Innovation」を語源とする造語、「革新のための未来像」の意)モデルのSUVコンセプトである。これまでにも、クロスオーバーSUVタイプのプラグインハイブリッド車のコンセプトカーである「SUBARU VIZIV CONCEPT」や「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT」があったが、これらのコンセプトをさらに推し進めた車両になっている。
デザインコンセプトは「スバル×アクティブライフ」。同社のデザインフィロソフィーである「DYNAMIC(躍動感)×SOLID(塊感)」を具現化して、アクティブにどこかへ出掛けたくなるワクワク感あるデザインを表現した。
自動運転技術は、ステレオカメラを用いる運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」の進化と、車車間・路車間(V2X)通信やテレマティクスの技術を融合する形で実現する。アイサイトの進化では、ステレオカメラによる前方認識に加えて、全方位レーダーを組み合わせて、車両周囲の交通環境や危険リスクを全方位で把握する。そして、高精度GPSや高精度地図データを活用することで自車位置を高精度に特定し、走行経路上のカーブ車線などに応じた最適な制御を行う。
これによって、前方直進時の衝突回避だけでなく、交差点右左折時や後退時における他の車両/自転車/歩行者との全方位での衝突回避を実現できる。また、高速道路上における全車速での自動運転や、自宅や商業施設などの駐車場における自動駐車も可能になるという。
V2X通信やテレマティクスに加えて、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)の技術進歩により、走行経路状況(交通環境、天気など)の先読みや、人とクルマの的確な意思疎通も実現する。安全性能の向上だけでなく、ユーザーの趣味などアクティブな生活をサポートするための情報配信も行い、「自動運転による移動を安心でワクワクするものにする」(同社)としている。
パワートレインは、「SUBARU XV HYBRID」のハイブリッドシステムが全面的に進化したものになる。組み合わせるエンジンは、「レヴォーグ」などに搭載したダウンサイジングターボをさらに進化させ、小型・軽量化とともにセグメントトップとなる正味熱効率の実現も目指すとしている。
富士重工業の車両の特徴である四輪駆動システムも一新する。シングルモーターをリヤアクスル同軸上にコンパクトに配置してプロペラシャフトを廃止した「シンメトリカルモーターAWD」を採用。四輪駆動車でありながら、フラットなフロアと広々とした快適な室内空間の実現につなげる。前後駆動力配分の積極的な制御によるベクタリング作用を利用して、運動性能の向上も図っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.