SLAMの採用で効率よく掃除できるようになり、稼働時間は最大2時間、稼働面積は同185平方m(112畳)にまで拡大した。従来は部屋単位の掃除が基本だったが、980ではフロア全体を掃除することが可能だ。一般家庭はもちろん、SOHOなど小規模オフィスでの利用もターゲットとして考えられ、池田氏は「今までにない販売ポテンシャルを持つ」と期待する。
セールス・オンデマンドの市場調査によれば、ルンバの認知度は93%でその内、30%の人が「買いたい」と答えたという。この30%がまず開拓すべき層といえるが、買わない理由で多いのは「ちゃんと家中を掃除してくれるのか」「人間がやるようにキレイにできるのか」「使い方が難しいのでは」という不安の声だという。
この3つを「三大障壁」と池田氏は表現。これに対し、iRobotがアピールするのは、980の「Smart」「Clean」「Simple」というコンセプトだ。
Smartは、前述の通り、iAdapt 2.0によるインテリジェントなナビゲーションである。そしてCleanは、掃除能力の強化だ。980では、進化した「ハイパワーモーターユニットG3」を搭載。前世代に比べ、吸引力が最大10倍、ゴミ除去量が同2倍になった。カーペット上で吸引力をアップさせる「カーペットブースト」機能も搭載した。
そしてSimpleであるが、980では、スマートフォンからの操作に対応。ボタン1つで掃除を開始できるシンプルな操作系はそのままに、より細かいスケジュール管理も可能になった。クラウドサービスを利用しており、ちゃんと掃除できたかどうか、スマートフォンの画面から履歴を確認することもできる。
同社が期待するのはクラウドのさらなる活用。クラウド側の強力なCPUパワーを使えば、ロボット単体では難しいような、複雑な認識処理も可能になる。クラウドの活用には、プライバシーに関する懸念があるものの、Angle氏は「将来は、モノを動かしたり、何か操作もできるようになる」として、今後の掃除ロボットのさらなる発展を示唆した。
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