“子”ロボットには、形状や組み合わせ、モーターのコマンドなど1〜5個の“遺伝子”で構成された独自の“ゲノム”が存在する。自然と同様、ロボットにおける進化は、1つの“遺伝子”の構成要素が変更されたり、追加や削除が起こったり、2つの前世代の“子”ロボットのゲノムを融合したりすることにより起こる。また、これらの「突然変異」や「クロスオーバー」は、その世代において成功しなかった“子”ロボットにおいて発生し、成功した“子”ロボットについては次の世代でも能力が変わらなかったという。
「生物学における最大の疑問点が『知性はどうやって生まれるのか』という点だ。現在、ロボットは、繰り返しのタスクを実行するものだとされ、マスプロダクション(大量生産)のためにデザインされていると思われているが、われわれはロボットが創造性や革新性を発揮できると考えている」と飯田氏は述べている。
現在、ドイツのインダストリー4.0をはじめとして、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)やロボティクスを活用した製造現場革新が進みつつある。これらのキーワードが「自律的な生産現場」である。まだまだ実用化には遠い技術ではあるが、ロボットが自己進化できるようになれば、生産現場の自律的な改変なども行えるようになる可能性も生まれてくる。
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