では、機能の特性が理解できたところで、SCULPT環境において、どのようなアプローチでミニ四駆のボディ形状をモデリングしていくか、機能を交えながら大まかな流れを説明します。
図13、図14のように[Box][Plane]機能などで、これからの操作の基となる形状を作成します。
[Box]で作成した場合、[Crease]機能で下部のエッジをシャープにし、その上で下部のフェースを全て削除します。フェースの削除は[Del]キーで行えます。
当然ですが、“モデリングする対象=ミニ四駆のボディ”は左右対称の形状です。片側だけモデリングして最後に反転することも可能ですが、センターにおける接続性を常に維持しながらモデリングを進めるには、最初から形状に左右対称性を与えておくことが有効です。Fusion 360はそのために[SYMMETRY]という機能を備えています。これを実施すると、その後、当該ボディに与えられた操作、フェースの移動はもちろん詳細形状の追加なども、左右対称を維持するよう実施されます。
今回の作業で最も多く使われるのが、恐らくこの[Edit Form]機能になります(図17)。フェースなどを直接編集する機能で、移動や拡大など多岐にわたる操作が可能です。これを上手く使いこなすことが、複雑な形状をモデリングする上での一番のカギとなります。
先ほどの[Edit Form]機能には、移動に伴って押し出しを行う、つまり追加ボリュームを作成するような機能があります(図18)。それを利用して凹凸部分を作成します。
フェンダーの張り出し部分などは、別の要素として作成しておき、間を[Bridge]機能などで埋めます。[Bridge]機能以外にも、直接Vertex同士からT-Splineフェースを作成できる[Face]機能を活用することもできます。
シャーシへの取り付けフック部など、詳細形状を付加して完成させます。
今回の解説は以上となります。いよいよ次回から、オリジナルミニ四駆ボディを作るための具体的なモデリング操作について説明していきます。お楽しみに! (次回に続く)
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