自動運転実用化に向けた政府レベルの取り組みは米国がリードAutomated Vehicleシンポジウム2015リポート(後編)(2/4 ページ)

» 2015年08月06日 10時00分 公開
[桃田健史MONOist]

ミシガン大学の「Mcity」で最終的な仕上げ

 今回のシンポジウム開催前日に当たる2015年7月20日、ミシガン大学でMcityの開所式が開催された。Mcityは通称で、正式名称をMobility Transformation Centerという。フリーウェイ直線路、市街地を模擬した交差点、定常旋回用のエリア、オフロードコースなど、合計11の走行パターンを想定した全長6.5kmのテストコースだ。建設開始は2014年7月。建設予算の総額650万米ドル(約8億円)のうち、半分近い300百万米ドルをミシガン州道路交通局が補助した。

「Mcity」の概要 「Mcity」の概要(クリックで拡大)

 シンポジウムの開催期間中、Mcityでは、自動車関連の事業者による技術展示や同乗試乗会が開催された。

 展示スペースには、デルファイの自動運転車による米国大陸横断に用いた実験車両や、デンソーのDSRCを活用したV2Vの実験車両、HEREの高精度地図の基礎データ収集に用いている車両、Qualcomm(クアルコム)のワイヤレス充電の実験車両があり、各社が技術説明を行っていた。

ミシガン大学の北キャンパス内に完成した「Mcity」 ミシガン大学の北キャンパス内に完成した「Mcity」(クリックで拡大)

 同乗試乗会では、中国の長安汽車によるDSRCを使ったV2V通信による同乗試乗を実施。長安汽車は、米国国内で車両を販売していないが、開発拠点がミシガン州プリムス市にある。同社の担当者は「CVは中国でも開発が進んでおり、この分野で先行する米国の状況を十分に把握必要がある」と語った。

 単眼カメラを用いたADAS(先進運転支援システム)「Mobileye」を活用した路線バスの試乗では、交差点付近での右折時の歩行者の巻き込み事故防止などのデモンストレーションを実施。

 ボッシュは2015年1月開催の「2015 International CES」で使用した簡易自動運転車を走らせたが、「CESでは最高で時速40マイル(64km)程度だったが、今回はストップ&ゴーを含む時速75マイル(120km)までのACC(アダプティブクルーズコントロール)を用意した」(同社関係者)という。

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