「Wi-Fi Aware」は対応デバイス間で無線LANによる接続を確立する前に、近接情報に基づいて利用できるサービスを検出する技術だ。認証を得たチップも登場しており、製品への搭載が見込まれる。
Wi-Fi Allianceは2015年7月14日、近接情報に基づいた相互認識技術「Wi-Fi Aware」の概要を発表した。
Wi-Fi AwareはWi-Fi接続が確立する前に対応端末同士が情報を共有して利用できるサービスを検出する。その後、必要に応じて従来のWi-FiやWi-Fi Directなどによって接続が確立され、高速な通信が行われる。
基盤技術となる「Neighbor Awareness Networking」はバックグラウンドで動作しており、対応端末同士はお互いの発見と同期を経て「ハートビート」によってクラスタを形成する。やり取りされる情報は非常に小さく、電力効率も高いという。クラスタ形成はスリープ状態でも行われる。
Wi-Fi Awareはあくまで近接情報のやりとりに特化しており、高速/大容量の通信には適さない。IEEE 802.11b/g/nのような高速接続を行いたい場合はアプリケーション側で制御する仕組みとなる。
ただ、端末同士のやりとりで近接情報を共有するため、GPSや基地局からの電波などは必要ないため、クラウドを介しないコンテンツ共有や、ニンテンドー3DSに実装されている「すれちがい通信」のような街中での近接サービス検索などへの利用が期待される。
既にWi-Fi Allianceでの認証プログラムは開始されており、 Broadcom「BCM4358」やIntel「Dual Band Wireless-AC 7260」、 Marvell「Avastar 88W8897 802.11ac 低消費電力 Wi-Fi コンボチップ」、Realtek「RTL8812AE 2x2 a/b/g/n/ac MiniCard」が「Wi-Fi Aware」認定を得ている。
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