トヨタ自動車はメキシコでの新工場の建設と中国での生産ラインを新設すると発表。リーマンショック後の赤字転落により2013年から3年間は新工場を建設しない方針だったが、1年前倒しで解禁した。
トヨタ自動車(トヨタ)は2015年4月15日、メキシコでの新工場建設と中国で生産ラインを新設すると発表した。トヨタはリーマンショック後の赤字転落により、2013年から3年間は新工場を建設しない方針を表明していたが、約3年振りにこの方針を変更することになる。
トヨタは新工場建設を凍結した後、既存工場の能力を最大限活用する施策や、モデル切り替え時の設備投資額の低減を進めてきた。こうした取り組みの成果が着実に業績に反映され、2014年3月期決算は営業利益、純利益ともに過去最高を更新した(関連記事:永遠の「持続的成長」を目指すトヨタ、過去最高益も2014年度は「意思ある踊り場」)。さらに既存工場の稼働率はグローバル全体で90%まで向上、工場の建設に掛かる初期投資については2008年と比較して約40%低減できるめどがついた。そこで今回、当初計画より約1年前倒しで新工場の建設に踏み切った。
約10億米ドルを投じてメキシコのグアナフアト州に建設する新工場は、2019年の稼働を予定している。年間生産能力は約20万台で、カナダ工場で生産している「カローラ」をこちらの新工場に移管する。中長期的に成長が見込まれる北米市場での競争力の向上に向けて、北米生産体制を強化・再編していく狙いだ。
なお新設されるメキシコ工場は、新工場としては初めて、車両のモジュール化などによって部品の共通化を行い、車両モデル切り替え時の設備投資額の大幅な低減を目指す「Toyota New Global Architecture(TNGA)」を前提として建設される。
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