連載1回目ではスイッチとLEDだけで電子工作を楽しんでいたのに、いつの間にかずいぶん複雑な回路を組むようになりました。初心者代表の筆者も、半年間で猛勉強をして成長したのです!
……そんなワケはなくて、本連載にあたってTWE-Liteの開発元である東京コスモス電機さんから技術協力をいただいたおかげです。
「こんなことできたら面白いな〜」と思いつくと、東京コスモス電機さんが回路を考えてくださいました。電子回路の知識がない筆者にとっては「プログラムを書かなくても、こんなことができるんだ!」というのは、毎回とても楽しい驚きでした。
そうはいうものの、回路がこんなに複雑になると「どうやって動いているのか?」を理解するのが難しくなりました。そんなときに思い出したのが、かつて友人エンジニアが言った「電気がどんな気持ちで流れていくか考えれば、いい電子回路が描ける」という至言です。
そこで私も電気の気持ちになって、今回の回路(画像8)を考えてみました。
TWE-Lite DIPの親機は、DO1にHIGH(以下、H)の信号がきたときに、LEDを光らせます(画像8-茶)。一方で、DI4にはアクティブローのスイッチ回路が接続されているので、デフォルトでHの信号が出ています。リセットスイッチが押されたときに、LOW(以下、L)になります(画像8-ピンク)。
つまり子機は、DO4からHの信号を受け取っている状態です。DO4から出ているHは、74HC74のクリア(1番ピン)、74HC123のクリア(3番ピン)に送られています(画像8-紫)。
741HC123のデータシート(PDF)にある機能表を確認しました(画像9)。
機能表を見ると、クリアがHの場合は2パターンの動きをすることが分かります。今回の回路は、A(1番ピン)がLに固定されている(画像8-灰)ので、黄色でマーカーした動きをしているわけです。
B(2番ピン)に入ってくるのは、人感センサーが発する信号です。人を検知したときに出力がHになり、検知できなくなった時点から4秒後に出力はLに戻ります(画像8-黄)。人感センサーの信号は、74HC14を通過しています。ノット回路を2回通っているので、1番ピンからHが入り4番ピンからHが出力されています。いわば、素通り(画像10)です(「74HC14」データシートPDF)。
74HC14がなんのためにあるのかというと、2番ピンに接続されたLEDを光らせるためです。ノット回路を通過して、2番ピンの信号がLになると、3Vに接続されているLED(D1)が光るのです。このLEDは、人感センサーが反応しているかどうかを可視化するために取り付けてあるわけです(画像8-橙)。
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