メルセデス・ベンツがSUVに新ネーミング、第1弾「GLE」が登場ニューヨークモーターショー2015 リポート(3/4 ページ)

» 2015年04月10日 09時00分 公開
[川端由美MONOist]

プラグインハイブリッド車「GLE 500 e」は荷室に課題?

 今回の目玉となるプラグインハイブリッド車「GLE 500 e」には、「S550プラグインハイブリッド」譲りのプラグインハイブリッドシステムが搭載される。最高出力85kWのモーターをトランスミッションに内蔵し、245kW/480Nmを発揮する排気量3lツインターボ直噴V型6気筒エンジン「BlueDIRECT(ブルーダイレクト)」と組み合わせることにより、システム全体で最高出力327kW/最大トルク650Nmとなる。同時に7速AT「7Gトロニック・プラス」と四輪駆動システムとの組みあわせながら、CO2排出量は3.3g/km、燃費は3.3l/100kmに達する。


「GLE 500 e」の外観(左)とエンジンルーム(右)(クリックで拡大)

 リチウムイオン電池パックは、ダイムラーの子会社であるDeutsche ACCUmotive製。2014年に1億ユーロの投資を終えて増産体制を整えており、これまでに「Sクラス」や「Eクラス」、Cクラスへの搭載実績がある。

 ただし、GLE 500 eへのリチウムイオン電池パックの搭載場所については課題が見え隠れする。SクラスやCクラスと同じく、パワーコントロールユニットとリチウムイオン電池パックを荷室下部に搭載しているのだが、GLE 500 eでは内燃機関車のGLEと比べて約13cmもフロアが高くなってしまっている。内燃機関車の荷室の床高さがバンパーレベルとあって使いやすそうな形状なだけに、少々残念ではある。

「GLE 500 e」の荷室(左)と「GLE 350 4MATIC」の荷室(右)。GLE 500 eでは荷室の床高さが一段高くなっている(クリックで拡大)

 リチウムイオン電池パックの容量は8.8kWh。SクラスやCクラスのプラグインハイブリッド車に対して、GLE 500 eの方が車両重量が重い分電池セル数が増やされているのかと思ったが、Sクラスのプラグインハイブリッド車の8.7kWhと比べてそう増えているわけではない。どうも電池パックの容量を増やすと、パワーコントロールユニットと組み合わせた状態での搭載性がよくないようだ。

 満充電の状態からモーターだけで走行できる距離(EV走行距離)は30km。壁に取り付けるタイプの200V電源の充電器を使えば、約2時間で満充電になる。

「GLE 500 e」の内装(左)と車両後部右側に設置されている充電コネクタ(右)(クリックで拡大)

 走行モードはボタン操作で4種類に切り替えられる。「Eモード」では、最高時速130kmまでのEV走行が可能。「Eセーブ」は、その時点での電池の充電状態を保って、エコカー乗り入れ規制地域などを走るためのモードだ。「ハイブリッドモード」は、エンジンとモーターの得意なところを生かすハイブリッド車として走行できる。「チャージモード」は、停車時に充電するモードになる。

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