トヨタ自動車が2015年に市場投入する「Toyota New Global Architecture(TNGA)」を導入した新型車の代表例として、各種報道で挙げられているのが4代目となる新型「プリウス」だ。新型プリウスはJC08モード燃費が40km/lを上回るといわれているが、TNGAベースの新開発のハイブリッドシステムだけではその燃費は実現できない。
トヨタ自動車が2015年3月26日、車両のモジュール化などによって部品の共通化を進める「Toyota New Global Architecture(TNGA)」に関する取り組みを発表した(関連記事:TNGAの新パワートレインは燃費を25%向上、モデル切替時の設備投資半減も達成)。
その取り組みでは、2015年から投入する新車で、TNGAに基づいて開発した「新パワートレインユニット」と「新プラットフォーム」の導入を順次進めるとしている。発表文の冒頭でも、同社社長豊田章男氏の「2015年は、TNGAを導入した新型車の市場投入など、これまでの『意志ある踊り場』での取り組みを踏まえ、持続的成長に向けて、着実かつ大胆に歩みを進める年にしたい」というコメントを紹介している。
豊田氏が言及する、2015年に市場投入するTNGAを導入した新型車として各種報道で挙がっているのが4代目となる新型「プリウス」だ。新開発のハイブリッドシステムを搭載するなどしてJC08モード燃費が40km/l(リットル)を上回るといわれている。
今回発表した新パワートレインユニットでは、一般的なガソリンエンジン車向けのパワートレイン(エンジン+トランスミッション)の他、新型プリウスに搭載するであろう新開発のハイブリッドシステムについても言及している。駆動ユニットの配置見直しやモーター/インバータ/電池の小型化や高効率化を図ることで、エンジンを含めたシステム全体で燃費を15%以上向上させられるというのだ。
現行の3代目プリウスは、装備を省いて車両重量を1310kgまで軽くした「Lグレード」のJC08モード燃費が32.6km/l。他グレードのJC08モード燃費は30.4km/lに留まる。もしLグレードのJC08モード燃費を15%向上しても37.5km/lで40km/lには届かない。
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