「使いこなせるか不安」「データの作り方が分からない」などの理由で、パーソナル3Dプリンタの購入に踏み切れない読者も多いだろう。そんな方に向けた選択肢の1つが、デアゴスティーニの「週刊 マイ3Dプリンター」だ。本稿ではその中身を紹介するとともに、3Dプリンタの組み立ての様子をタイムラプス動画でお届けする。
2014年末にリクルートテクノロジーズが行った、IT業界のトレンドを把握するための調査(対象:ITエンジニア)では、「2014年に最も気になったネット業界のワード」の第1位と、「2015年に最も流行しそうなもの」の第2位に、「3Dプリンタ」がランクインしました。「モノづくりの根本が変わる」「使ってみたい」という理由の他、工業用途以外での活用の広がり・可能性や、低価格化による普及促進の波もこの結果に寄与したようです(関連記事:「スマートウオッチ」や「4Kテレビ」を抑え、2015年も「3Dプリンタ」に高い関心)。
3Dプリンタの中でも“個人向け”とされるのが、比較的安価に入手できる「パーソナル3Dプリンタ」です。パーソナル3Dプリンタは、「FDM(熱融解積層)方式」が中心で、その価格は10万円を切り、数万円台で購入できるまでになりました。現在、いろいろな機種が国内外のメーカーから発売されていますが、中には完成品ではなく、組み立てキットとして販売されているものもあります。
このように、ユーザーにとって選択肢が増えつつあるパーソナル3Dプリンタですが、「使いこなせるか不安」「3Dモデルデータの作り方が分からない」などの理由から、興味・関心はあるが、個人での購入に踏み切れない方が多くいるのも事実です。
もっと気軽に“3Dプリンタへの扉”を開くことができないでしょうか……。
2015年1月5日、そうした不安を解消してくれる(かもしれない)存在として、「週刊 マイ3Dプリンター」がデアゴスティーニから刊行されました。2014年9月に一部地域で先行販売を行った結果、大反響だったとのことで、晴れて全国販売に至ったそうです(関連記事:新創刊の「週刊 マイ3Dプリンター」、組み立て式3Dプリンタの監修はボンサイラボ)。
ご存じの通り、デアゴスティーニの「週刊 ○○」は毎号購入して、アイテムをコレクションしたり、パーツを組み上げて1つの完成品を作り上げたりするシリーズ。この週刊 マイ3Dプリンターには、毎号ボンサイラボ監修のパーソナル3Dプリンタ「idbox!(アイディー・ボックス)」の組み立てパーツが付属し、マガジンには3次元CADやCGツールを用いたモデリング講座などが掲載されています。
週刊 マイ3Dプリンターは全55号で、創刊号は税込999円の特別価格。2号以降は税込1998円からなので、筆者試算によると合計11万円ほどで3Dプリンタが手に入ることになります。前述の通り、数万円台で入手可能な機種もあるので割高に感じられるかもしれませんが、「使いこなせるか不安」「3Dモデルデータの作り方が分からない」などの問題を解消するための教材が含まれていることを考えると、単純に「高い」とは言い切れないでしょう。マガジンの内容ですが既に3Dプリンタを活用している人だと物足りないかもしれませんが、これから始める人にとっては十分価値のあるものだと思います。
週刊 マイ3Dプリンターの構成は以下の通りです。
「組み立てガイド」では、idbox! の組み立て手順を解説。解説に従いながら、毎号付いてくるidbox! の組み立てパーツを少しずつ組み上げていきます。
「3Dプリンターの世界」では3Dプリンタの最新活用事例やサービスなどの紹介が、「ベーシック講座」では3Dプリンタや3Dモデリングの基礎知識の解説がなされています。
そして、「作って学ぶモデリングガイド」では、3次元CADおよびCGツールで実際に3Dモデリングを行いながら3Dデータを作成する手順を学ぶことができます。ちなみに、MONOistの連載でおなじみの水野操氏がマガジンの監修にかかわっています(関連リンク:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜)。
全55号、パーツを組み立てながら3Dプリンタの構造を理解しつつ、3Dモデリングのスキルアップも図れ、idbox! が完成した暁には、オリジナルの3Dデータを使って3Dプリンティングが楽しめるというデアゴスティーニお得意のストーリー。全55号と先が長くてヤキモキしそうですが、“じっくり一から学べる”ことを考えると、初心者の方にとってはちょうどよいペース配分なのかもしれません。
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